Novel.1
□Lesson 8c 赤い彗星編
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ムンパレ☆カルテットのセーラー白書
Lesson 8 赤い彗星編
謎の紋付き袴仮面 赤い彗星、太陽への一撃!(後編1)
−−−Another Side−−−
バァン! ガァン! バコォ〜ン! ガァン! ボムッ!
「赤ぁいマぁフぅラぁ〜♪ なぁびぃ〜かぁせぇてぇ〜♪ 行ぅ〜くでぇおてん〜とさん♪ わてぇ〜はゆ・う・しぃ〜♪」
夕焼けに染まる赤羽通りの一本道。
レッド・サンは道路を行き交う乗用車やトラックの屋根を踏み台にするかのように跳躍し、妙な鼻歌を歌いながら軽々と宙を舞い続けた。
ブオオオオオオオオ!!!!
ギキュキュキュキュ!! キキィィィィィ!! ブオオオオ!! キュキュキュキュキュ!!
「ぬおっ! ふんっ! ぐおっ! な、何て逃げ方しょっとか、うおっ!?」
割に合わないのは後から追い駆ける“赤い彗星”だった。
レッド・サンから踏み台にされた乗用車やトラックがあっちこっちに振られ、“赤い彗星”の追走を阻んで来る。
“赤い彗星”は右に左にと、衝突ギリギリで『障壁』をかわしながら、レッド・サンを追い駆けなければならない。
「しっかし、いっちょん差ん縮まらん・・・・何てジャンプスピードな、ふんっ!」
“赤い彗星”のバイク、KATANAのメーターが指す速度は時速90キロを超えている。
それでもレッド・サンとの距離は拮抗を続けていた。
「行く手ぇはぁ嵐ぃやぁ吼えぇる海ぃ〜♪ 大ぉ空ぁさぁえぎぃるぅ黒ぉい雲ぉ〜♪」
ボムッ! ヒュルルルルル・・・・バムッ!! シュバァァァァァ・・・・
突然、先を跳ぶレッド・サンが方向転換。追走する“赤い彗星”とは反対方向に跳んで行った。
「なっ☆!? あんクサレがぁ〜☆!!!!」
ギキュキュキュキュキュ!!!! ブロロロロロロ・・・・!!
“赤い彗星”もタイミングを見計らってスピンターン! レッド・サンの後を追い、疾駆した。
この騒ぎを、芝東照宮の神も、増上寺の御仏も、どう見ているのだろうか・・・・。
−−−ここから、なるみサイド−−−
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
「レッド・サンも、せんせぇも・・・・どこぉ?」
「み・・・・見失っちゃった」
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・」
走って追い駆けていたあたし達は、S国大使館近くの交差点で、息絶え絶えになって立ちすくんでいた。
おしおきタイムは始まったばっかりなのに、もうフラフラ・・・・。
「あ・・・・お風呂入りたくなってきちゃった・・・・」
「こぉやぁ〜?」
「今はガマンしましょう」「そ、そうよ」
「はう〜(__;」
道路の向かい側にあるのは街の銭湯屋さん。
お風呂が呼んでいる、って言うこやちゃんの気持ちも、わからなくはないけど・・・・。
バァン! ガァン! ボムッ!
「赤ぁいマぁフぅラぁ〜♪ なぁびぃ〜かぁせぇてぇ〜♪」
タンッ! ヒュンッ!
「「「「あ・・・・」」」」
今、あたし達の目の前をレッド・サンが飛び跳ね、あたし達の背後の道へと跳んで行った。