Novel.1
□Lesson 5b 赤い彗星編
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ムンパレ☆カルテットのセーラー白書
Lesson 5 赤い彗星編
力 vs 技!! 赤い彗星、参戦(後編)
「ヌゥゥゥゥゥ〜・・・・ストロォ〜ング」
ついさっき脚払いを食らったストレングスが、今ようやく起き上がったようだ。
「チャンスよ、ストレングスっ! そこの妙な“ポルコ・ロッソ”も、一緒にやっちゃいなさいっ!!」
「なっ!?」「「「「!?!?!?!?」」」」
突然のクローソーの言葉に、あたし達は一瞬で我に帰った。
「Hey You!! 誰(だい)が“紅の豚”な!」
一方、“赤い彗星”は怒り心頭の様子。あたし達には彼が怒る意味がわからなかった。
「ストロォ〜ング!!」
そんな中、ストレングスが“赤い彗星”に向かってタックルの構えで突進してきた。
しかも、ストレングスは“赤い彗星”の真後ろ!
「「「「あぁっ!! ボンレ・・・・じゃないっ!! “赤い彗星”さん、あぶないっっ!!!!」」」」
ガッ☆
「グオッ!?」「「「「えっ????」」」」
衝撃のシーンが、あたし達の前で展開していた。
振り向いたやいなや、“赤い彗星”は突進してきたストレングスに、今度は自分の足で脚払いをかけたのだ。その瞬間、ストレングスの巨体が宙を舞い、
「・・・・えっ?」
ドッシ〜ン☆!!
「きゃあっ★」
何と、クローソーを見事なまでに下敷きにしてしまったのだった。
「ヌゥゥゥゥゥ・・・・」「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛・・・・(@A@;;;;;」
「ここで真っ向からぶつかり合ぅたら、俺の相棒に、傷が付くやなかな」
「「「「☆・・・・????」」」」
この時言った“赤い彗星”の台詞を耳にし、あたし達の額には大粒の汗ジトが揃って浮かんだ。
ま、まさか、傍に止めてるバイクの為に、脚払いをした訳??
「う・・・・うぅぅぅぅ」
「むっ?」「「「「!!!!」」」」
その声を耳にし、あたし達も“赤い彗星”も揃って声の主に視線を向けた。
声の主はストレングスだった。低く、重く、そして響く声を発しながら、ストレングスはゆっくりと、しかし確実に立ち上がろうとしていた。
「うぅぅぅぅ・・・・うっ、うっ、うっ」
ストレングスは立ち上がると、しきりに頭を振っていた。まるで、気を取り戻そうとするかのように。
「ほぉ〜? やっぱ足蹴にした位じゃあ、効いとらんごたぁな」
「・・・・・・」
頭を振るのをやめたストレングス。目をつぶった状態で、息を整えるかのように肩を大きく上げ下げしながら深呼吸をし始めた。
オープンカフェテリアだった戦場に、空白の時が流れて行く。