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□魔法は知らないうちに。
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朝のさわやかな光と風の中、
学校のチャイムが鳴り響いた。


「今日も遅刻か?ウォーカー急げよ!」

朝番の先生にそんな声をかけられながら僕は教室ではなく
ある場所へと向かった。


「失礼しまーす。」

廊下に誰もいないことを確認してからドアを開ける。
微かな薬品のにおいが鼻を掠めた。

そこは、毎朝僕が通う保健室。
朝のHRなんて退屈なものをサボる為と
言う理由もあるけれど
一番の理由は・・。
彼女に会うためだった。

僕の指定席に座り、時計の時間を確認する。
保健の先生は、この時間は会議のために職員室に
いるために怒られることはない。

(あと、一分ぐらいかな)

一階には教室がないので廊下の音がよく聞こえる。
コツコツという、誰かの足音に耳を澄ました。



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