TOT夢連載【太陽の花】

□第25話 【魂の都】
4ページ/5ページ

ルキウス
「教皇様はこの世界を憂いてらっしゃる。
ヒトやリカンツ、オーガが
互いに傷つけ合い いがみ合う世界をね。
だから教皇様は、失われた尊い魂達を
再びこの世界に呼び戻し憎しみの連鎖を
断とうとなさっているのだ。」



その言葉を聞くなり、
フォレストは怒鳴りつけた。



フォレスト
「そのために、
レイモーンの民を犠牲にしてか!
何も知らない、静かに隠れ住む
レイモーンの民を狩り出し、
ペイシェントのために拷問をする。
それが、この世界の平和だと!?
それは傲慢だ!」


ルキウス
「傲慢などではない!
何故なら、生命の法が成就した暁には
リカンツもその命を取り戻すからだ。
つまりは、この廃墟になった
レイモーンの都も再興される。
リカンツ狩りはそのための
一時の苦しみに過ぎない。」


ティルキス
「おまえ、正気で言ってるのか?
そんな戯言、信じるかよっ!」


『一時の苦しみだって
永久だと感じる事もあるのに・・・』



ティルキスとフォルテの2人も
否定の言葉を放つ・・・



ロミー
「イヤねぇ、疑り深くて。
教皇様は本気で計画されているわ。
そもそも獣を狩ったくらいで
傲慢とか言われても困っちゃうわ。」


『レイモーンの民を愚弄しないで!』



物とばかりに扱う態度に不快感を覚え
耐えることが出来ず叫ぶ。



カイウス
「失われた尊い命を呼び戻す?
簡単に人の命を奪うくせに軽く言うな!
そんな事できっこない!
・・・ ・・・どんなに望んでも、
死んだ人は生き返らないんだ。」



ラムラスの事を思い出し
その表情を歪める。



ロミー
「命を軽く扱っているのは、
あなた達リカンツでしょ?
ナトウィック夫妻を殺したリカンツ。
いえ、あなたのお父さんだったわね。
お父さんだって最後には
あなたにも牙を剥いてきたじゃない。
あなただって同じ。
獣になって楽しかったんでしょ?
獣の姿で肉を裂き、骨を砕いて、
夢中で戦っていたじゃない。
すごく楽しそうだったわ。」


カイウス
「・・・ ・・・覚えていない。
そんなこと 覚えてない!」



耳を塞ぎ悲痛な声で叫ぶ姿に
尚も詰めた口調で追い立てる。



→NEXT・・・
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ