TOT夢連載【太陽の花】

□第25話 【魂の都】
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建物の中には
レイモーンの民の亡骸は一つも無く、
静寂だけが漂い、足音だけが響き渡る。

部屋の中心に扉が一つあるが、
唯ならぬ異様な雰囲気を纏うが
釘等で打ち付けられている事から
どうやら開く事は無理なようだ。



『瓦礫だけで、何も無いみたい。』


ティルキス
「そうだな・・・
生活感が全然感じられない。」


フォレスト
「この建物自体が生活の為でなく、
民の知識を
高める為のものではないでしょうか?」


アーリア
「それなら、知識を得る為の場所が
どこかに存在する筈よね?」


カイウス
「じゃあ、二階にあるのかもな。」


ルビア
「階段なら、あそこにあるわよ。」



部屋の四方に位置する
一つの階段から上を目指した。

そして、二階へ上がってみると、
そこには棚から崩れ落ちた本が
乱雑に床へ散らばっている。



『如何にもって感じ・・・』


フォレスト
「ここは、図書室か?
この本の中にもしかすると
当時の記録が残っているかもしれない。
ティルキス様、
ここを重点的に調査しましょう。」


ティルキス
「ああ、手分けして調べてみよう。」



それぞれ分担場所を決めると、
別々の棚を探し出すのであった。



カイウス
「こう多いと、
調べるだけでも一苦労だよな。」


ルビア
「そうよね〜。目が回りそう。」



雑談を交えながらも手を止めず
右へ左へと顔動かし探していると
不意に部屋全体に声が響く。



???
「探し物の必要はないよ。」



散り散りになっていた皆は
声が聞こえた方へ一点に集まると、
下階からルキウスとロミーが姿を現す。



ロミー
「ずいぶん待たせたわね。砂漠で
行き倒れているのかと心配したわ。」



その口振りから察するに、
移転プリセプツを使い
先回りをされてしまったようだ。



カイウス
「お前ら!」


ティルキス
「性懲りもなく、また来やがったな。」


『待ち伏せされてたんだね。』


ルキウス
「待っていてあげたんだよ。
無駄な骨折りをさせないためにね。」


カイウス
「なんだと!」


ロミー
「ここには、なんにも残ってないの。」



妖笑を浮かべながら言うロミーに
ルキウスは言葉を付け加えた。



ルキウス
「ここにあっためぼしい物は
教会が抑えさせてもらったよ。
全て、教皇様へ献上済みだ。」


アーリア
「生命の法とは何?
ここで、それを探し当てたんでしょう?」



問い詰めるように前に踏み出し、
アーリアは強く言い放つ。



ロミー
「アーリア。それは、ここにいる
仲間達の為に聞いているの?」


アーリア
「質問を質問で返さないで!
教皇様は生命の法で
何をしようとしているの?
そもそも生命の法とは何なの?」


ルキウス
「・・・ ・・・教えてあげよう。」



ルキウスは生命の法について、
ゆっくりと話し始めた。



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