TOT夢連載【太陽の花】

□第16話 【地下へ】
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ティルキスに連れられるまま
全速力でジャンナ正面の橋まで来ると
橋架の陰に身を隠し、息を潜める。

少しの間、頭上は騒がしかったが、
直ぐに辺りは静けさを取り戻す。



『どうやら、僧兵は行ったようね。
でも、ティルキス・・・
なぜ僧兵に追いかけられていたの?』


ルビア
「はぁはぁ・・・ ・・・何があったの?」


カイウス
「フォレストさんは?」



それぞれ思った事を口にすると、
ティルキスは悔しそうに顔を歪めた。



ティルキス
「フォレストは俺を逃がすために
僧兵のヤツらに捕まった。」


カイウス
「Σなんだって!
それって、かなりマズイじゃないか。」


ティルキス
「ああ。
教会を探っていた事がバレたんだ。
このままじゃ、
あいつも教会に連れて行かれて
処刑されてしまう。」


『ええ、必ずそうなってしまうわ・・・
直ぐにでも、何か手を打たないと。』


ルビア
「Σ処刑!?
探っていただけで処刑されちゃうの?」



何も知らされていないルビアの態度は、
仕方ない事なのであろう。



ティルキス
「2人には黙っていたが・・・ ・・・
フォレストはレイモーンの民なんだ。
フォルテには話したと聞いた。
そして、レイモーンの民だと
さっき捕まる時にヤツらにばれた。」


カイウス
「フォレストさんがレイモーンの民!?
やっぱり・・・ ・・・」


ルビア
「そんな事って・・・ ・・・」



レイモーンの民であった事実に
2人は動揺を隠せない。



ティルキス
「ジャンナ事件の話は聞いてたな。
あいつは処刑されたはずの
8人のレイモーンの民の内の一人。
あの事件の生き残りなんだ。」


『(やっぱり事件の当事者か・・・)』



確信に近い考えを持っていたので
その答えにフォルテは驚かず、
目を伏せ、少しだけ眉を潜める。



カイウス
「Σ何だって!?」


ルビア
「あの事件の8人には、
フォレストさんも含まれていたの?」


ティルキス
「ああ。あいつはジャンナを脱出し、
僧兵と騎士団に追われ
センシビアに逃げたんだ。
教会は体面を保つため、
全員処刑した事にしていたけどな。」


『確かに、敵と見なされた者達に
逃げられたと周りに知られてしまうと
教会側的には体裁悪いものね・・・』


カイウス
「そんな事があったのに、
何でジャンナに戻ってきたんだ?」



そんな出来事があったのならば、
フォレストの顔が知られ
捕まる確率が高くなるのは確実・・・

なので、関係者ならば
訪れたりなどはしないのは普通だ。



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