TOT夢連載【太陽の花】

□第15話 【静かな語り】
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『・・・私は、フォルテよ。
貴方と話すのは構わないけれど
答えられる範囲で良いかしら?』



安堵感はあれど、
いつ自分へ牙を剥く分からず
警戒は解く事無くそう呟くと
ルキウスは頷き返してくれた。



ルキウス
「まず聞きたい事は、
フォルテはリカンツ・・・
いや、レイモーンの民なのか?」


『・・・違う、のかしら・・・ ・・・でも私、
アレウーラの民でもないのかも。』


ルキウス
「どういう・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・!!
まさか君は・・・混血、なのか?」


『ええ・・・
私は、2種族の血を受け継ぐ者。』



答えが意外だったのか、
目を見開き驚きの表情を浮かべる。

だが、その表情の中には
驚きとは少し違う感情が混じる事に
瞬間的にフォルテは感づき、
瞳の奥に眠る真実を言葉にと変えた。



『ルキウス・・・貴方も混血なのね・・・』



その問い掛けに対し
訝しげな顔を一瞬だけ見せるが、
直ぐに冷静さを取り戻し
その理由を聞き返してきた。



ルキウス
「なぜ・・・そう思う。」


『私にも、何故だかは分からない・・・
ただ・・・貴方が
レイモーンの民の話をする時の
淋しそうな瞳が、私と似ていたから。
どちらかと言えば、心を感じる
っていうのが、近いのかしら。』


ルキウス
「心を感じる、か・・・ふっ・・・
キミはかなり変わっているな。
そんな事を言われたのは初めてだ。」



暗くてあまり分からないが、
微笑みをくれたのは鮮明に瞳へ映す。



『ルキウス・・・貴方は綺麗に笑うのね。
私はその笑顔が好きだわ・・・』



無意識にルキウスの頬へ触れるが、
その仕草に焦る事も無く
しっかりとフォルテの瞳を見据えた。

その瞳を見つめていると
何故か、懐かしい気持ちが溢れだす。

それはルキウスも感じているようで
長い時間2人は見つめ合っていた。

とても短く長い時間ではあったが
この時から2人は、
惹かれ始めていたのかもしれない。

だが、この気持ちに気づくのは
まだ遠き未来の事である・・・



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