TOT夢連載【太陽の花】

□第11話 【カイウスの想い】
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その日の夜・・・

フォルテはふと夜中に目が覚め、
ゆっくり身体を起こし
不意に横へと視線を移すと
隣のベットで眠っているはずの、
カイウスの姿が見えなかった。



『・・・カイウス?』



トイレなのかもと思い
しばらく帰りを待ってみたが
全く帰ってくる気配は無い。

何処へ行ったのか心配になり、
手近にあった服を軽く羽織ると
捜しに行こうとベットから腰を上げた。

だがその瞬間、軋み音を立ててしまい
その音に気付いたのか
眠っていたフォレストが目を覚まし
フォルテへ瞳を向けてくる。



フォレスト
「こんな時間に何処に行くんだ?」


『カイウスがベットに居ないから、
辺りを捜しに行こうかと・・・』


フォレスト
「わかった、私も着いて行こう。
夜中に女性の一人歩きは危険だ。」



2人はカイウスを捜すべく、
宿屋の外へと静かに足を進める。


町の中に出ると、昼間とは違い、
灯りは数本の外灯が照らされ
その光の周り以外は暗闇に覆われ
辺りは静寂に包まれていた。

昼間行った公園まで来ると
何処かをぼんやりと眺め佇む
カイウスの姿を見つけた。



『カイウス・・・』



名前を呼んでみると
ゆっくりとこちらに振り返る。



『急にいなくなるから、
心配しちゃったじゃないの。』


カイウス
「ごめん。」


フォレスト
「眠れないのか?」


カイウス
「・・・ ・・・うん。
それと、フォレストさんに
謝らないといけない事があるよ。
オレ作戦とはいえフォルテみたいに
フォレストさんの事を
お父さんって呼べないよ。」



その寂しそうな瞳に心情を察する。



フォレスト
「父親が
連れ去られているのだったな・・・ ・・・
こちらも気が回らなくてすまなかった。
ティルキス様も悪気はないのだ。
許してくれ。」


カイウス
「そんな・・・ ・・・謝る必要はないよ。」


フォレスト
「まあ、ジャンナまで先は長い。
今はしっかり寝ておけ。」


『そうだよカイウス。
いざというとき戦えないと困るわよ。』


カイウス
「うん・・・ ・・・でも
ひとつ聞きたい事があるんだ。」


『聞きたい事?』



ずっと悩み続けていた胸の内を
そっと打ち明けた。



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