TOT夢連載【太陽の花】
□第4話 【異端審問官】
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フォルテ
『やっぱり囲まれて…おじさん!』
ラムラス
「うむ。
カイウス、ここは私が何とかする!
おまえはフォルテと逃げなさい!」
カイウス
「でも父さん…
僧兵に囲まれてて逃げられないよ。」
周りにいる僧兵を見ると、今にも飛び掛かってきそうな雰囲気だ。
ラムラス
「私が奴らの注意を引きつける。
その隙に逃げるんだ。いいな?
うおおぉぉぉぉぉっ!!」
後ろへ振り返る事なくそう言うと、囲む僧兵を睨みつけたその瞬間、昨夜と同じように身体から光を放ち獣人の姿へと変身を遂げた。
そして雄叫びを上げながら逃げ道が出来るようにと、僧兵に向かって拳を繰り出す。
カイウス
「舶モウん!!」
突然の目の前の出来事にカイウスはついて行けず慌てていると、危険を察したルビアが声を荒げ叫ぶ。
ルビア
「カイウス、早く!
ここにいちゃダメ!」
フォルテ
『行くわよカイウス!!』
2人はカイウスの腕を両サイドから掴み、村の外に連れ出そうとする。
だが、逃げようとするこちら側に数名の僧兵が気付き、声を上げた。
僧兵
「待てーそこの子供たちっ!
待つのだっ!」
フォルテ
『Σくっ!!仕方ない…
カイウス、ルビア!
振り向かずこのまま走って!!』
声を上げながらも迫り来る僧兵に対し荷物から数本のナイフを素早く両の手へと瞬時に構えると、僧兵達の足を目掛けて投げつけた。
ナイフは僧兵の足甲に見事に命中し、その傷の痛みから苦しむように僧兵は地面へと崩れ落ちる。
その様子に気付いたラムラスは、フォルテ達を庇うに立ち阻んだ。
ラムラス
「カイウス!村はずれで会おう!!」
その言葉を信じて、3人は僧兵を振り切ると、村はずれにある小屋を目指した。
どこからか響き渡る
始まりの鐘の音を聴きながら・・・
→第5話に続く・・・