TOT夢連載【太陽の花】

□第4話 【異端審問官】
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カイウス
「そんな奴らはオレと父さん、それにフォルテも一緒に戦えばやっつけられる!
オレは逃げるなんて嫌だ!」


ラムラス
「馬鹿を言うんじゃない!
ルビアさんだっているんだぞ。
彼女まで巻き添えにする気か?」



その言葉に一瞬たじろぎ、後ろに身を引いた。



フォルテ
『お願い…一緒に行きましょ、ね?
これ以上ここに居たら…奴らが…
Σっ!静かに、誰か来たわ!』



扉の向こう側から、ただならぬ殺気の様なものを感じる。



ラムラス
「遅かったようだな…」


フォルテ
『間に合わなかったみたい…』



逃げ道を絶たれてしまい、どうするべきなのか思案していると、異端審問官であるロミーの声が外から中にと響いてきた。


ロミー
「リカンツ!
隠れているのはバレてるのよ。
おとなしく出てきなさい。
さもないと家を燃やしちゃうわよ。」


カイウス
「Σ燃やすだって!父さん!!」


ラムラス
「狽ュっ…」



こんな住宅密集地で家を燃やされなどすれば多大な被害が出るのは簡単に分かる。

それを止めるべく、異端審問官と家の間に司祭が割り込んだ。



司祭
「お待ちください!
家に火をつけるのはやめて下さい!
どうか乱暴な事だけは…
彼らが家を出てこられるように少し時間をやって下さい。
彼らは悪い者たちではありません!」


ルビア
「お父さん…」



司祭は必死に止めに入るが、ロミーには聞き入れる様子はない。



ロミー
「そこをどきなさい!
我々の邪魔をするのであれば司祭であっても容赦はしないわ。」


フォルテ
『狽ィじさん!!
このままでは司祭様にまで被害が!』



聞き入れないロミーに向かい、まだ司祭は叫び続ける。



司祭
「どうか、お願いします!
彼らに自ら家を出てくるチャンスをお与え下さい。」



更に自分達の為に懇願する声に、これ以上の迷惑は忍びなく、ラムラスとフォルテは意を決す。



ラムラス
「仕方ない…
フォルテ!強行突破をするぞ!!
カイウスとルビアさんは任せた!」


フォルテ
『了解しました!!』



強く視線を交わし頷き合うと、カイウスとルビアを背に隠すようにフォルテは外へ飛び出した。

するとそこには、先ほど見掛けた異端審問官の2人と、家を囲むように僧兵達が立ち並ぶ。




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