TOT夢連載【太陽の花】

□第4話 【異端審問官】
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カイウス
「父さん、いったい、これからどうしたらいいんだ?」


ラムラス
「私にも分からない…
これからの事はナトイック様に任せるしか…」



司祭の名前が出たことで、話に夢中になっていた自分に気づいて、先ほど見た光景を思い出した。



フォルテ
『Σって、そうだ!!
悠長に話してる場合じゃないです。』


ラムラス
「なにかあったのか?」


フォルテ
『じ、実は…!!』



異端審問官の事を告げようとした瞬間、入り口の扉が勢いよく開いた。


ルビア
「カイウス!おじ様!
早くここから逃げて!!」


フォルテ
『ルビア!?』



かなり慌てて来たのか、肩で息を繰り返している。



カイウス
「どうしたんだルビア?
なんでオレたちがここから逃げなくちゃいけないんだ?」


ラムラス
「何かあったんだな?話してくれ。」



何度か胸に空気を吸い込む動作をし息を整えると、急ぎ口を開いた。



ルビア
「誰かが異端審問官に2人の事を通報したの。
村にたくさんの僧兵がきているわ!」


フォルテ
『やっぱり通報した人がいたんだ。
でないと、こんなに早く異端審問官が来るはずなんてないわ。
……ラムラスおじさん!!』


カイウス
「父さん……」


ラムラス
「やはり恐れていた事が起こったか。
カイウス!おまえはここから逃げなさい!
フォルテ!カイウスを頼んだ!!」



ラムラスはフォルテに振り向き、強めの声でそう言い放つ。



フォルテ
『はい、任せて下さい!
我が命に変える事になったとしても、カイウスだけは守り抜きます!』



それに促されるように、しっかりした声で言葉を返した。



カイウス
「どうしてだよ!
オレたちは何も悪いことはしてない!
なんで逃げなきゃいけないんだ!」



逃げる理由が分からず、混乱したように頭を抱え込んで唸る。



ラムラス
「奴らは異端者狩りをしている。
昨日も言ったように、奴らは、レイモーンの民を捕えては恐ろしい処刑を繰り返しているんだ。」


フォルテ
『処刑されたくはないでしょ?』



そんな3人の話しを聞きながらも、ルビアは外を気にした様子で入り口の周りをウロウロ歩き回る。

そんなルビアを尻目に、叫ぶようにカイウスは口を開く。




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