TOT夢連載【太陽の花】

□第4話 【異端審問官】
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フォルテは隣接したカイウス家にある裏口に回る、小さく名前を呼び、軽く扉を叩く。



フォルテ
『カイウス、ラムラスおじさん、お家の中に居ますか?』



中から短く返事が聞こえ扉が開き、ラムラスが中から現れた。



ラムラス
「あぁ、フォルテか…
でも、何故 裏口から?
とりあえず中に入りなさい。」


フォルテ
『はい。』



異端審問官が来ているので、あまりゆっくりなどは出来ないが、2人の意志を聞くべきであると思い、ひとまず中に入る事にした。

中に入ると椅子に座っていたカイウスと目が合い、その隣へ寄り添うように立つ。



フォルテ
『ラムラスおじさん…
この様子だと、カイウスにレイモーンの民の事…
それと、おじさんとの関係も話したみたいですね。』


ラムラス
「ああ、昨日話した。」


フォルテ
『なら…私の事は?』


ラムラス
「それは話していない…
フォルテに許しを得る事もなく、話して良いことではない気がしてな。
フォルテ自身の事だ、本人の口から話した方がいい…」


フォルテ
『そうですね…分かりました。
……ならカイウス、驚かず聞いてほしい事があるの。』



いつもとは違う真剣な表情で、正面から瞳を見つめる。



カイウス
「なんだよ。
改まった顔しちゃって…何?」



不思議そうに首を傾げ、問い返す。



フォルテ
『うん…実は、私……
レイモーンの民とアレウーラの民…
その間に産まれたハーフなの。』


カイウス
「Σなっ!!
じゃあフォルテも父さんみたいに獣人化とかしたり出来るのか?」


フォルテ
『ううん、それは無いの。
私は人の血を多く受け継いだらしく、獣人化する事は絶対にない。』


カイウス
「フォルテまでもがレイモーンの民だったなんて…
なら、俺達と離れてた方がフォルテが危険な目に遭わず、レイモーンの民だなんてバレる心配が少なくなるんじゃ?」


フォルテ
『それは、無理に近い事だわ。
普段は隠れている私の背中にもレイモーンの証であるザンクトゥが しっかりと刻まれているから、その事実は覆せない……』



フォルテはその事実を伝えると、少し顔を伏せてしまう。




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