TOH夢連載【沙羅の実】

□第4話【始まりの刻】
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一方、ルベラの紡ぐ癒やしの歌で
ゼクスが受けた浅い傷は塞がり血は止まった。

だが、短時間の回復などでは深く刻まれた傷は塞がりきらない。

再び、癒やしの歌を唄おうとするが、ゼクスの弱声により阻まれた。



ゼクス
「うぅっ・・・ルベラか・・・・・・」


ヒスイ
「大丈夫なのかジィさん!?」


ルベラ
『あぁっ、ゼクス爺様・・・!
今一度ばかり、回復術を・・・・・・』


ゼクス
「いや、良い・・・ゴホッ!
ワシは・・・もう助からん・・・
それよりシングは・・・どこだ・・・?」



そう言われてみればと、当たりを捜すが見当たらない。



ルベラ
『そういえば・・・居ない・・・
ヒスイ君、シング君は今どこに?』



その問い掛けに渋い顔のまま、コハクのスピリアへと入った事を簡単に説明してくれた。



ルベラ
『狽ヲえっ!!
単身でスピルメイズへと乗り込んでしまったのですか!!
シング君の腕前だと危ないっ!』


ゼクス
「狽「、いかん!!
スピルメイズは、危険じゃ・・・!!」


ヒスイ
「そ、そんなに危ない所なのかよ?」



ゼクス
「侵されたスピルメイズには、ゼロムが・・・巣くうのだ・・・』


ヒスイ
「ゼロム・・・ってなんだ?」



耳慣れない
【ゼロム】という言葉に首を傾げる。



ルベラ
『ヒスイ君も聞いた事はあるはずですよ。
ゼロム・・・というのは、
お伽話【眠り姫】の絵本に出てくる
【夢を喰らう魔物】の事・・・』


ヒスイ
「Σ!!
じゃあなにか、その、お伽話の魔物ってーのが実際に存在するっていうのか!!」


ゼクス
「詳しい話は後だ・・・ぐっ!
今の・・・ワシでは、助けられん・・・
行ってくれ・・・るか、ルベラ?」


ルベラ
『はい、もちろんです!!』


ヒスイ
「気を付けろよ・・・・・・」



コハクの前に立ちソーマである扇を広げ、急ぎスピリアにと思念を送り込むと、先程のシングと同じようにコハクの中へと吸い込まれていく。


人の思念が作り出した迷宮
【スピルメイズ】にと
ルベラは足を踏み入れた。

直ぐ様 当たりを見渡しシングの姿を捜してみるが、倒されたゼロムの残骸だけだ。

どうやら階層を進んで行き、かなり奥まで行ってしまったようだ。



ルベラ
『不味いわね…
途中で追いつけるといいけど。
最奥に眠るスピルーンに辿り着くまでに追い付かないと!』



迷宮内に転がり残された残骸を頼りに、進んで行ったであろう道を追いかける。





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