TOH夢連載【沙羅の実】

□第3話【岬のほこら】
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インカローズ
「フッ、馬鹿な女だ。
・・・だがあの一撃で死なぬとは。
・・・まあいい、貴様の次にでも葬ってやろう・・・・・・」


シング
「あ・・・・・・ッ!?」



またも狙いを定められるが、恐怖心を煽られてしまい、そこから動けない状態に陥る。



インカローズ
「死ねっ・・・・・・!!」



覚悟を決め目を瞑るが、代わりにゼクスの叫び声が響いた。



ゼクス
「這狽ョわぁぁッ!!
シング・・・・・・に、逃げろぉぉぉッ!!!」



武器を持たぬゼクスは防ぐ術が無く、真っ正面から喰らってしまい、前のめりに崩れていった。

その倒れた身体を踏みつけにし、インカローズは嬉しそうに話す。



インカローズ
「ゼクスか?老いたな。だが喜べ。
もうこれ以上 老いる事は・・・・・ない。」




止めを刺そうとゼクスの心臓に向けて手を翳した。

不敵な笑みを浮かべたインカローズの姿を見るなり、シングは腹の底から怒りが沸き起こり、赤きオーラを溢れさせた。



シング
「やめ・・・・ろ・・・・・・お前・・・・・・
オレのジィちゃんに・・・・・・
なにしやがったんだぁぁー――ッ!!!



シングの中に眠る何かが弾け、強大な力を纏わせながらインカローズを斬りつけた。



インカローズ
「こ、この・・・・・・力は・・・・・・!?」



利き腕に深手を負い、傷口を押さえながら地に膝を付く。



ゼクス
「シング・・・・・・い、いかん!
がふ・・・・・・ッ(苦)」



息も絶え絶えなゼクスの様子を見て、シングは我に返り、駆け寄った。



シング
「買Wィちゃん!
しっかりしてよ、ジィちゃん!!」


ヒスイ
「しっかりすんのは、てめぇだ!
ソッコーで逃げんだよ!!」



コハクとルベラを背負うヒスイにシングは怒鳴られた事で、両頬を叩いて混乱していた気を持ち直す。



シング
「う、うん!」



急いでゼクスを背に担ぎ、ヒスイの後に続き
、その場から逃げ出した。



インカローズ
「・・・・・・見つけ・・・・・・ましたぞッ!
【彼女】は、その娘の中にィ!!
それに・・・・・・もう1人の女・・・・・
あの者が持つソーマは・・・・・・
我らが永年、捜し求めていた・・・・・・」



インカローズは怪しげな言葉と笑みを浮かべながら、意味深な言葉を残しながら、その場から姿を消したのだった。




→第4話に続く・・・
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