TOH夢連載【沙羅の実】

□第3話【岬のほこら】
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ルベラ
『珍しい型のソーマですのね・・・』


ヒスイ
「アンクレット・・・・・・
これって女用のソーマなのか?」


シング
「うん、オレの死んだ母さんの・・・
・・・たったひとつの形見なんだ。」


コハク
「そっか、
きみのお母さんもソーマ使いで・・・
・・・もう亡くなっちゃってるんだね。
私達の母も同じなの。
でも、形見のソーマは、今どこにあるのかわからないんだ・・・」


シング
「そう・・・・・・なんだ・・・・・・
でも、オレは寂しくないんだ。
やたらうるさい ジィちゃんがいるからね!
きっと、コハクも同じだろ?」


コハク
「あははは、うん!
私も、全然寂しくないよ。
超〜〜変なお兄ちゃんがいるから!」



2人で笑い合う姿を見守るようにルベラが優しく微笑んでいると、
突然シングから話を振られた。



シング
「ねえねえ、ルベラの母さんってどんな人?」


コハク
「きっとルベラに似て、綺麗で素敵な優しい人なんだよ。」


ヒスイ
「(右に同じ・・・)」


ルベラ
『・・・お母様、ですか・・・』



王国の夢見としてスカウトされ、自分の意思でエストレーガにライトと2人きりで出てきたのは幼少期。

笑顔で両親と別れたのは覚えてはいるが、どんな感じだったかなど思い出せないでいた。



ルベラ
『う〜ん、よくわからないなぁ〜。
7歳の誕生日に村を出ちゃって、一緒には暮らしてはいないから。』


シング
「ご、ごめん・・・
(ルベラって家出少女だったんだ)」


コハク
「安心して、私はルベラの味方だから。
(お母さんの厳しさに耐えきれず、家を飛び出しちゃったんだね!!)」


ヒスイ
「まあ、頑張れよ。
(見かけによらず苦労してんだな)」


ルベラ
『・・・・・・・・・・・・何を??(悩)』




3人の思考は見事一致していたが、ルベラの考えとは果てしなくズレまくっていた。

しかもルベラはよく分からないまま、首を傾げて見せるのだった。



コハク
「シングって、いい人だね。
色々・・・・・・疑っちゃって、ごめんね。」


シング
「///わ・・・・・・(ワタワタ)
え、えっと、いいんだ!
そんなの全然気にしてないよ。」



ほんわかムードの2人に、ヒスイは苛ついたように口を開く。



ヒスイ
「和んでる場合じゃねぇだろーが!?
さっさと、このソーマを借りるか奪うかしねーと・・・・・・」



その台詞を聞くなり、凄い蹴りをヒスイの腹へ、モロに炸裂。

見事なまでに鳩尾へと綺麗に決まり、その場へ崩れ落ちた。



ヒスイ
「這買Oハッ!!!」


コハク
「【奪う】って何よ、お兄ちゃん!?
助けてもらってるのに!
もし、ルベラの物だったら、奪うとか言わないでしょ!」


ヒスイ
「そりゃ・・・まあ・・・///
(ルベラには手出しできねーよ)」


ルベラ
『クスクス・・・仲良し仲良し♪』



兄妹喧嘩を見つめるも、シングの中で気になった事を聞く。




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