TOI夢連載【彩りの雛U】スパーダ編

□第24話
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地上が騒がしい事に気付いた一同は、エルマーナを先頭に外へ向かう。

急ぎマンホールから出てみると、そこには2人の子供が強面の男達3人に捕まっていた。



エル
「ありゃあ、エライこっちゃで…」



この位置からでは無事なのか分からず、エルマーナは安否を確認するべく手を振って声を掛けてみる。



エル
「リタ!マリオ!大丈夫かー?」



その声に気付いたのか、男達3人がこちらへ視線を映した。

商店主らしき風貌をした、明らかに威張り散らしそうな男が代表として口を開く。



商店主
「おうおう、盗人の親玉の登場か。
貴様の子分は捕まえたぞ。
さあ、観念するんだ。」


マリオ
「Σはなせー、はなせよー(泣)」



黙っていたイリアとティビアだったが、少年の叫びを聞き、話に割って入る。



イリア
「子供達を放しなさい!
泣いてんじゃないのよっ!!」


ティビア
『寄って集って、子供に乱暴な扱いは卑怯ですわ!』


商店主
「黙れ!
お前らも纏めて、処分しちまおうか。」


アンジュ
「この子達が何をしたと言うのです!」


ティビア
『筋道が通る理由を要求します!』


商店主
「ふん、あんたらのようなお嬢さんなら耳に入れた事を後悔するような、薄汚い行為を繰り返したんだよっ!」


アンジュ
「………。」



言葉の意味が分かったアンジュは、少し影が射したように俯く…

…が、その意味が全くと言っていいほど よく分かりもしないティビアは、違う方向にと思考が飛ぶのであった。



ティビア
『薄汚い行為……っという事は…
巷で人気の泥団子を沢山作りまして、本物のお団子さんと すり替えちゃったのですね!!
創作時には手が汚れますもの(納得)』


商店主
蝿痰、っ!!


イリア
「………ねぇ。
泥団子って、巷で人気なの?」


スパーダ
「んな訳ねーって。
どうせいつもの暴走だろ。」



いつまで経ってもティビアの妄想に慣れないイリアは、少し遠い目をしながらも聞くと、逆にティビアの妄想に慣れてきていたスパーダはサラリと軽く交わしながら、男に視線を向けて話を進める。



スパーダ
「おっさんよぉ、参考までに聞くけど そのコら、どーなるんだ?」


商店主
「知れた事!
ガルポスの農場に連れて行くんだよ!
あそこでは労働力が貴重でな。
いい金になるんだ。」



当たり前と言わんばかりに、男は飄々とした表情で答えた。



ルカ
「狽ミどい!そんなのひどすぎるよ!」


ティビア
『無理矢理 働かせようとするなど、血の通った人のする事ですか!!』


商店主
「ふん!薄汚いコイツらが悪いんだ!
さっさとくたばってくれれば、こんな手間を掛けずに済んだんだがな!」



勝手な理屈を並べる理不尽さに対し更に反撃しようとしたが、隣りで深く俯いた姿に気が付き、エルマーナにと視線を移す。





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