TOI夢連載【彩りの雛U】ルカ編

□第23話
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キノコも無事に入手。

鍾乳洞最奥から地下水道側に近づくと、入り口付近で2匹の犬がこちらを凝視。



スパーダ
「犬だ。」


リカルド
「見ればわかる。
しかも二匹だな。」


イリア
「見ればわかるっての!」


ティビア
『何処からか迷い込んだのかしら?』


ルカ
「それは、見るだけじゃわからないかな。」



そんな緊張感の無い会話の中、犬の近くにエルマーナと、何故か逃げ腰気味なアンジュが近付いて行く。



アンジュ
「だ、駄目よイリア、興奮しちゃ…。
緊張が犬に伝わっちゃうっ(ドキドキ)
こういう時は、落ち着いて目を見て。」



その態度に苛立ったのか2匹同時に吠えられてしまい、小さく悲鳴を上げながらアンジュは舞い戻ってきた。



アンジュ
「(汗)と、いう事で、動物の扱いは難しいから、決して油断しちゃ駄目。
喉を狙って来るから。」


ティビア
『アンジュさんの行動…
なんだか矛盾してませんか?』



苦笑い気味にアンジュを見つめていると、鍾乳洞入口方面から少年の声が響いた。


少年
「この気配、ヴリトラだね。
天地を轟かす龍神の気は忘れもしない。」


エル
「んん?自分いったい…」


少年
「ボクだよ。わからないか?」


エル
「………(悩)」



考える仕草をすると、思い出したように口を開いた。



エル
「創世力の番人、ケルベロス。
あんたかいな。」


少年
「今はシアンって名さ。
創世力はどこだ?」



どうやら、少年の名前はシアンと言うらしい… …



エル
「ええ〜?なんでウチに聞くん?
どう考えても自分のんが詳しいやん。」



不満そうな声色で言ってみるが、そんな表情は全く気にする事なく
シアンは引き続き話を続ける。



シアン
「天上崩壊を見続けたお前なら地上のどこに落ちたのか知ってるはずだろ?
ボクに教えろ!」


アンジュ
「ねえ、坊や。 一つ聞いていい?
なぜ創世力を探すの?」



疑問を振ってみるが 答えが戻ってくる前に、ルカが気になる事を口にしていた。



ルカ
「…あれ?
さっきの記憶、変じゃない?」



イリア
「どういう事よ?」


ルカ
「アスラはなぜ創世力を手に入れたかったんだろう?」


リカルド
「確かに、天上を消滅させる意味が無い。
苦労して天上統一を果たしたというのにな。」


ティビア
『そうですわね…
アスラお兄様が創世力を必要とする理由は見当たりません。
まさか天上統一そのものが、最終目的では無かったのかも?
その選択をするために創世力を…』


アンジュ
「でも、わたしの記憶では創世力は…」



そう最後まで言い終わる前に待つことに痺れを切らしたのか、シアンが口を挟んでくる。





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