TOI『彩りの雛』

□第7話
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オズバルドに告げられた発言に対し、ルカは首を振りとても嫌がっていた。



ルカ
「嫌だ!そんなの嫌だよォ。」



今にも泣きそうな態度にスパーダは苛立ちを覚えながら、グリゴリ兵に向けて いきり立つ。



スパーダ
「…上等じゃねーか。」


イリア
「………」



その後方でイリアはずっと何かを考える体制のまま俯いており、ティビアは心配そうに声をかける。



ティビア
『大丈夫ですかイリアさん?
先程から、沈んでいる様ですが。』


イリア
「………」



聞こえていないのか返答はなく、もう一度 名前を呼んでみた。



ティビア
『あの…イリアさん?』


イリア
「え、何?」



今度は聞こえたのか、慌てたように顔を上げた。



ティビア
『あの…イリアさんが沈んだ感じですので、どうしたのかな〜っと…
もしかして、どこか怪我でも?』


イリア
「無い無い。
怪我なんてないし、あたしなら大丈夫だって。
ちょーっと考え事してただけだから。」


ティビア
『私じゃ頼りないかもしれませんが、何でも相談して下さいませ。』



ティビアがそう言うと、沈んでいた表情が笑顔に変わる。



イリア
「はいはい、分かってるって♪
ほら、あたしは良いから、ルカの所にでも行ったげなよ。
多分、あいつ一人でウジウジ悩んでるだろうからさ。」


ティビア
『そうですね…了解しました。
では、ルカ君〜♪』


イリア
「ホ〜ント、素直な良い娘よね〜ティビアは…」



言われた通りルカの元に小走りで駆けていく後ろ姿を見ながら、イリアは小さく微笑んだ。
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