TOA夢連載【たんぽ穂】
□第7楽章
1ページ/5ページ
チーグルが泥棒を働いていた理由を知るべく、イオンは長老に問いかける。
イオン
「チーグルは草食でしたね。
何故人間の食べ物を盗む必要があるのです?」
チーグル族長老
「… …
チーグル族を存続させるためだ。」
ティア
「食べ物が足りない訳ではなさそうね。
この森には緑がたくさんあるわ。」
森には木々が生い茂り、自然が溢れている。
木の実やキノコ…
草花などを食べるのであれば、何ら問題も無い環境と言えよう。
ノーサ
『っと言うことは、他に理由があるんですね… …』
チーグル族長老
「我らが仲間が北の地で火事を起こしてしまった。
その結果、北の一帯を住み処としていた【ライガ】が この森に移動してきたのだ。
我らを餌とするためにな。」
イオン
「では村の食料を奪ったのは、仲間がライガに食べられないためなんですね。」
チーグル族長老
「… …そうだ。
定期的に食料を届けぬと、奴らは
我らの仲間を さらって喰らう。」
長老の言葉に、これまでの全貌が明らかになった。
確かに、野生のライガは群れを作り、生活する種族…
森に生っている果物だけでは個数が限られてしまい、提示された量に及ばず、チーグル達が食べる分を減らしたところで、森の中にある食物だけでは限界はあるだろう。
イオン
「ひどい… …」
ルーク
「ふん、知ったことか。
弱いモンが食われるのは当たり前だろ。
しかも縄張り燃やされりゃ頭にも来るだろーよ。」
イオン
「確かにそうかも知れませんが、本来の食物連鎖の形とは言えませんね。」
ノーサ
『はい、お勉強ですよルーク様。
食物連鎖とは何でしょーか?』
突然のノーサ式勉強タイムが始まり、一同は唖然とし、ルークは焦り顔を見せた。
.