TOA夢連載【たんぽ穂】

□第7楽章
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チーグルが泥棒を働いていた理由を知るべく、イオンは長老に問いかける。



イオン
「チーグルは草食でしたね。
何故人間の食べ物を盗む必要があるのです?」


チーグル族長老
「… …
チーグル族を存続させるためだ。」


ティア
「食べ物が足りない訳ではなさそうね。
この森には緑がたくさんあるわ。」



森には木々が生い茂り、自然が溢れている。

木の実やキノコ…
草花などを食べるのであれば、何ら問題も無い環境と言えよう。



ノーサ
『っと言うことは、他に理由があるんですね… …』


チーグル族長老
「我らが仲間が北の地で火事を起こしてしまった。
その結果、北の一帯を住み処としていた【ライガ】が この森に移動してきたのだ。
我らを餌とするためにな。」


イオン
「では村の食料を奪ったのは、仲間がライガに食べられないためなんですね。」


チーグル族長老
「… …そうだ。
定期的に食料を届けぬと、奴らは
我らの仲間を さらって喰らう。」



長老の言葉に、これまでの全貌が明らかになった。

確かに、野生のライガは群れを作り、生活する種族…


森に生っている果物だけでは個数が限られてしまい、提示された量に及ばず、チーグル達が食べる分を減らしたところで、森の中にある食物だけでは限界はあるだろう。



イオン
「ひどい… …」


ルーク
「ふん、知ったことか。
弱いモンが食われるのは当たり前だろ。
しかも縄張り燃やされりゃ頭にも来るだろーよ。」


イオン
「確かにそうかも知れませんが、本来の食物連鎖の形とは言えませんね。」


ノーサ
『はい、お勉強ですよルーク様。
食物連鎖とは何でしょーか?』



突然のノーサ式勉強タイムが始まり、一同は唖然とし、ルークは焦り顔を見せた。


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