TOH夢連載【沙羅の実】
□第3話【岬のほこら】
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シングがルベラの指導の元、魔物との戦闘に慣れ始めた頃、海が見える小高い丘へ辿り着いた。
いくつかの石柱が立ち並び、一番見晴らしの良い場所に花で囲まれている ほこらが見えてきた。
岬に辿り着くと、シングは ほこらの前にと立つ。
シング
「ここがソーマを奉ったほこらだよ。
でも、扉は思念術で封印されてるんだ。」
コハク
「【大丈夫】・・・
・・・って【彼女】が言ってる。」
意味が分からないシングを余所に、コハクはルベラに向き直る。
コハク
「【彼女】が、歌姫であるルベラの歌声で、ほこらは開くって言ってるけど・・・」
ヒスイ
「ルベラの歌で開くだと?」
シング
「ルベラって、歌姫なんだ(キラキラ)」
どこか疑わしい表情であるヒスイと、輝かしい瞳を向けるシングを置き、2人は話を続けていく。
ルベラ
『確かに私の歌には、癒やしの力が備わってはいますが、それで扉が開くかは謎よ。
大丈夫なの?』
コハク
「うん♪
ルベラに全て任せれば安心だって、【彼女】のお墨付きだよ。」
ルベラ
『(ところで、彼女って誰なんだろ?)
そ、そう・・・なら少しだけ・・・』
了承すると、両手を胸の前に添える。
歌声に思念術を乗せるように、ゆっくりと歌い始めた。
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