短編夢

□今、会いに行きます(妹視点)
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私には兄がいる。

兄は全寮制の男子校に入っているため、一緒には住んでいない。
私も定時制の学校の寮に入って暮らしているため家族と一緒には住んでいない。

そもそも、私と兄には家族と呼べる存在がいても、その家族は本当の家族ではない。何故なら、その家族と私と兄は血が繋がってないから。

私と兄は孤児院で育った。
孤児院のみんなが私と兄にとっての家族。
血が繋がっていなくとも、共に生活してきた家族だった。


私は中学を卒業すると、寮のある定時制の学校へと進み孤児院を出た。
兄も同じく、中学卒業してから孤児院を出て、全寮制の学校へと進学した。


互いに寮に入っている私たちは中々会う機会もなかったが、急に兄に会いたくなって私は兄に会いに行こうと思った。

兄の通うセイント学園へ私は行くことにした。



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