キミの為に鐘は鳴る。

□【キミの為に鐘は鳴る。】第7話
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――


ハルジオン港に着いた。

“ガルナ島”に行きたいなんて言う人間は皆無。
だから聞き込みすれば直ぐ見つかると思う。


…案の定だった。



「みーつけた」


「「「 !!! 」」」


『よかった、まだ港に居て』


「グレイ!レナ!なんでここに!?」


『わかるでしょ?』


「うっ…」


「連れ戻して来いっていうじーさんの命令だよ」


「もうバレたのか!!?」


「今ならまだ破門をまぬがれるかもしれねぇ。戻るぞ」


「破門!!!!!」


『ほら、帰ろう?』



でもこれで引き下がるナツじゃなかった。



「やなこった!!俺はS級クエストやるんだっ!」


「チッ…、マスター直命だ!引きずってでも連れ戻してやらァ!

ケガしても文句言うなよ!!」


「やんのかコラァ!!」



一隻の船の前で、
ナツとグレイがケンカを始めてしまう…



『はぁ…始まった』


「ちょっと2人ともっ!」



―そこに1人、
突然部外者の声が。




「…あんたら、“魔導士”だったのか…!?」


「「「『「 !!? 」』」」」


「ま、まさか島の呪いを解くために…!」



…ん?
この話の展開は、ひょっとして…



「おう!」


「い、一応…」


「行かせねーよ!」


「乗りなさい」


「『 はぁ!!? 』」



ちょっ…だからダメなんだって!!

…このおじさんも、
人の話を聞いて欲しいんだけど…



「わりぃ、レナ!!」



―ドッ!!!



『ぅッ…!』



手刀をくらい、
私は柔らかい物の上に倒れた。



―ちょっと、グレイとレナも連れてくの!?

―こいつらがギルドに戻ったらエルザが来る!

―ひぃぃッ!!



その会話が聞こえたのを最後に、
意識を失ってしまった。


…不覚。



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