キミの為に鐘は鳴る。

□【キミの為に鐘は鳴る。】第6話
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―ギルドの前にはかなりの人だかりが出来ていた。


"鉄の森"事件の前にナツがエルザに条件として突きつけた、
2人による勝負を観戦する為だ。



「ちょ…ちょっと!本気なの!?2人とも!!」


「あら、ルーシィ」


「本気も本気!本気でやらねば漢では無い!!」


「エルザは女の子よ」


「怪物のメスさ…」


「だって、最強チームの2人が激突したら…」


「最強チーム?何だそりゃ」


「あんたとナツとエルザとレナじゃないっ!!"妖精の尻尾"トップ4でしょ」


「はぁ?」


『えぇ!?』


「くだんねェ…誰がそんな事言ったんだよ?」


『!!…グレイ、うしろうしろ』


「あ?

…あッ…ミラちゃんだったんだ…」


「Σ泣かしたっ」



あーぁグレイってば。ミラを泣かせちゃって…

…でも、「強い」って言われたのは嬉しいな。
もちろん、"妖精の尻尾"にはまだまだ強い魔導士がたくさんいるけどね。

…“あのオヤジ”はいつ帰ってくるのかなぁ。それに…



『 (…ラクサス…。) 』



最近、ほとんど見なくなってしまったメンバーも居る。



「どーした?レナ」


『…ううん、なんでもない。』


「?、そうか?」


「何にせよ面白い戦いにはなりそうだな」


「そうか?オレの予想じゃエルザの圧勝だが」


『そう?ナツも結構強いから…』


「(…チッ。)まさか」


「あたしこーゆーのダメ!どっちも負けてほしくないもん!」


「…意外と純情なのな」



グレイ達と話してる内に、エルザは"炎帝の鎧"に換装。

あれはナツの炎をも威力を半減させてしまう、耐火能力のある鎧だ。
(エルザのツインテールかわいいな)


ますますナツにとって不利になったんだけど、
ナツはニッと笑って「これで心おきなく全力が出せるぞ!!!」ってさらにやる気になったみたい。
2人とも、頑張って!



「始めいっ!!!」


だりゃっ!!!!!



マスターの試合開始の宣言と同時に
一気に間合いをつめる2人。

ナツは素早く蹴りを繰り出すけど、エルザがそれを避け、今度はエルザが剣で攻撃を仕掛ける。



「す、すごい…!」



かわすナツ。エルザに足払いを掛けられてもブレスで応戦。

…周囲にいた何人かが、その炎に巻き込まれていたけど。



『2人ともさすがね』


「な?いい勝負してるだろ」


「どこが」



ナツの拳と、エルザの剣が再度ぶつかり合う――



パァンッ!!!!!




「「「「「「「「『  !?  』」」」」」」」」



―急に、試合を中断させた者がいた。




「全員その場を動くな。


私は評議院の使者である」



厳めしい様子でそう言った使者は

……カエルみたいな容姿をしていた。
てゆーか、カエルだった。



「評議院!!?」


「使者だって!?」


「何でこんな所に!!?」


「あのビジュアルについては、スルーなのね…」


「…こんな時に、何しに来たんだ…!?」


『さぁ…でも、何か嫌な予感がする…』




いきなりの評議院の人間の出現に

"妖精の尻尾"の魔導士達はざわつき始める。

そいつはいきなり読み上げ始めた。



「先日の"鉄の森"テロ事件において、器物損壊罪他11件の罪の容疑で…


エルザ・スカーレットを逮捕する。



「え?」


何だとぉおぉっ!!!?


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