キミの為に鐘は鳴る。

□【キミの為に鐘は鳴る。】第5話
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「エリゴールの狙いは、定例会なの!!?」


「ああ…だけどこの魔風壁をどうにかしねえと、駅の外には出られねえ」



応急処置はしたが、カゲは目を覚ます気配がない。
今の私たちには、成す術が無かった…。

傍ではナツが魔風壁に突進して強行突破しようとしてるけど…、
何度も押し戻されて切り傷がどんどん増えていく。



「くそぉおおっ!!!

こんなモンつきやぶってやるぁっ!!!!」



バチィッ!!!!!



「ナツ!」


『ナツ、やめて』


「バカヤロウ…力じゃどうにもなんねえんだよ」



ナツの炎をもってしても、はじかれる。



「急がなきゃマズイよっ!!

アンタの魔法で凍らせたりできないの!?」


「出来たらとっくにやってるよ」


「レナは…!」


『…。』



ふるふる、とレナは頭を振った。

つまり、
今の私たちに、脱出の術は残ってない。



「……くそっ…!どうすればいいんだ…!!」



こうしている間にも
マスター達に危機が…!



ぬぁあああっ!!!!


「ちょ、ちょっと!やめなさいよっ!

バラバラになっちゃうわよっ!!?」



ナツが魔風壁に突っ込むのを止めない。
見兼ねたルーシィがナツの身体を抑えた。


―本当に、もう手段は無いの…!?




「……………」


「何よ」


「…そうだ!!星霊!!!



ナツがルーシィの肩を掴む。
そういえばルーシィは"星霊魔導士"だって聞いた気が。

でも、“星霊魔法”には色々と決まりがあるらしく、
会話を聞いてても、脱出できそうでやっぱり出来ない、という結論が出てしまった


…と、思われたが。



あーーーーーーーっ!!!!


「「「「『 !!? 』」」」」



ハッピーが突然何かを思い出した様に叫んだ…び、びっくりした…!



「ルーシィ思い出したよ!!」


「な…何が!?」


「来るとき言ってたことだよ!!」



そういってハッピーが取り出したのは…



「これ」


「そ、それは…!バルゴの鍵!!?



金色に輝く、綺麗な鍵だ。

ナツはなんか知ってるみたいだけど…“メイドゴリラ”??



「嬉しい申し出だけど今はそれどころじゃないでしょ!!?

脱出方法を考えないと!!」


「でも」


「うるさいっ!ネコはだまってにゃーにゃー言ってなさい!」


「…お前さりげなくヒドイのな。」


「むぅ…バルゴは地面に潜れるし、

魔風壁の下を通って出られるかな、って思ったんだ」


「「「「『 !!!? 』」」」」


「何!?」


「本当か!?」



"出られるかもしれない"
その言葉に皆の表情が一気に変わった。



「貸して!!!」


ルーシィがハッピーから鍵をさっと奪…貰う。


「我…星霊界との道をつなぐ者

汝…その呼びかけに応え、門(ゲート)をくぐれ!


開け!処女宮の扉!バルゴ!!!」



渦巻く煙の中から現れたのは…



「お呼びでしょうか?御主人様」


「え!!?」



ピンク色の髪の、メイド服を着た女の子。

(人間かと思った)

ルーシィとナツの反応じゃ別人?らしいけど…



「へぇー、かわいらしいじゃねえの」


「ルーシィか…さすがだ」


『あれが星霊なんだ…初めて見た』



その後私たちは星霊・バルゴのおかげで
掘ってもらった穴を通り、魔風壁の外に出る事が出来た。
可愛いメイドさん、ありがとう!



「出れたぞーーーっ!!!」


「急げ!!!」


「うわっ、すごい風!」


「姫!!下着が見えそうです!」


「…自分の隠せば」


『エルザも!みえてるよ!?』


「構わん!それより急ぐぞ!!」


『…いやそこは構おうよ…!!』


「(…スカート、か…。)」


「グレイどうしたの」


「何でもない」


「(レナの方見てたクセに)」


「お仕置きですね」


「Σ何でだよ」



その時エルザがナツとハッピーがいない事に気付き、口元を緩めた。

2人が一足先に行ったのに気付いたから。



「すぐに追うぞ。全員乗れ!!」



魔動四輪に乗り込み、エルザが超スピードで発進させた。

ナツならエリゴールを倒してくれる。
お願い…間に合って…!



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