キミの為に鐘は鳴る。
□【キミの為に鐘は鳴る。】第1話
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夕方。
この2人にかかれば、ゴブリンというちっぽけなモンスターなどわけも無く。
グレイとレナはギルドに帰るため駅にいた。
「大量っつっても、大したことなかったな」
『グレイだけでもよかったんじゃない?』
「なっ!何言ってんだよ!
……俺はレナと2人で来たかったんだよ」
『グレイ…?』
言った途端気恥ずかしくて、ふいとレナから顔をそむけた。
だがしかし、
レナの言葉はグレイに衝撃を与えた
『…ありがと!仲間だしね、私たち』
「っ…!!(そーいうことじゃなくてだなっ…)」
こんなやり取りを、俺とレナはもう何年も続けている。
大切な仲間だったレナを、“女”として認識し始めたのは数年前から。
世間一般でいう「初恋」ってヤツだった。
だがレナは一筋縄じゃいかねぇ…
初めてレナに告白したときも…
『?私もグレイが大好きよ。私の大事な仲間。』
「・・・。」
なんでこーゆう事に限ってレナは鈍いんだっ
―頭を抱えた回数はもはや数知れない。
落ち込むグレイをよそに、レナはギルドのみんなへのお土産を選んでいた。
『ナツと、ハッピーと、エルザとー、それにマスターにミラにエルフマン、ロキ、カナ、レビィジェットドロイビスカアルザック……』
「Σいやいやまてまて!どんだけ買う気だよ!」
両手の指を折りながら
呪文のように仲間の名を唱えてたレナにツッコむ。
『ねーグレイ、マスターにはこのお酒でいいよね?』
「いーんじゃね?…Σ違ぇよ。
いつも言ってっけど、みんなは土産より
レナが帰ってくるのを待ってんだよ」
だから、はやく帰ろうぜ?
そういう俺に、レナは渋々という感じで頷いた。
『じゃあ女子寮のみんなの分にする〜』
「…さいですか。」
ホントにコイツは仲間思いな奴だなー
エルザと同じくらいなんじゃねーかな
考えているうちに、
マグノリア行きの列車が来た――
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