キミの為に鐘は鳴る。

□【キミの為に鐘は鳴る。】第8話
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―ガルナ島の中を、依頼人が待つ村を目指してみんなで歩いていた。


時々、ナツやグレイがちらっとこっちを見て、気遣ってくれる。
・・さっき倒れちゃったもんね。心配かけちゃったなぁ
大丈夫、って手を振ったら、2人とも顔を赤くしてスグ前を向くの。ん?



―そうやって歩いているうちに、
厳重に警戒がされた“門”に私達はたどり着いた。

村の入り口と思われるそこには、
“KEEP OUT”の文字が…。



「立ち入り禁止って、どんな村だよ」


『人が居るといいけど』


「すみませーーーん!誰かいませんかーーー!!?」


「…壊すか」


「Σダメ!!!」


「何者だ」



!!、
門の上に人影が2つ。



「魔導士ギルド、“妖精の尻尾”の者です!

あの…依頼を見て…来たんですけど…」



その言葉にピクッ…と反応する門番たち。
でも向こうも依頼が受理された、とは聞いてないらしく、こちらを疑っている。



「全員、紋章を見せろ!!」



右肩、右手甲、右胸、背中、左首元。

全員が各々のマークをみせた。



「おお…本物のようだ…!」


「入りなさい!村長を呼んでこよう」



そう言われ、村の中に通される―



・・・・・



「みなさん、よく来てくださった」



歩み寄って来た1人の背が低い人影。
ほがほが…と言ってる辺りやはりご老体の様。



「さっそくですが…これをみてくだされ」


「「「「『 !!? 』」」」」



村人全員が、体を隠すように纏っていた布を、外した



「これは…!!」


「やはり…」


『(あの人と同じ…)』



さっき会ったボボという船乗りと同じ。

島に住む人も動物も、体の一部が変化している。
村ではこの現象を“呪い”と呼んでいるらしい。



「病気じゃない、か…。」


「我々がこんな姿になってしまったのは…“月の魔力”が関係しておるのです」


「“月の魔力”?」


『月…』



空を見上げると、もうすぐ夜で、
月が雲に隠れているのが分かった。



「何年か前…突然月の光が紫色に変わり始めたのです」


「“紫”!!?そんな月見たことねぇぞ」


「…外から来た者は皆、そう言います」



説明するよりも、実際に見て欲しい。
そのように、村長は悲しい顔を夜空に向けた。



―雲から現れた月が、

   紫色に輝いていた。



「紫の…月…!!」


「気味わりぃな…」


『ええ…』



妖しい、を通り越して、不気味だった。



突然、



「うッ…かぁぁッ」


「「「「『 !!!? 』」」」」


「ちょっと何ッ!!?どうしたのッ!?」



月が出たと同時に、
村人達の様子が、急変した。



・・・
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