キミの為に鐘は鳴る。
□【キミの為に鐘は鳴る。】第1話
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魔導士ギルド、“妖精の尻尾”。
ここの魔導士たちの仕事は、捜索、呪文解除、討伐など…、様々な依頼をこなすこと。
今、ギルドのリクエストボードから
依頼書を1枚はがした人物がいた。
「じーさん、この仕事レナと2人で行って来る」
「うむ。気をつけて行って来い」
「わかってるって。行くぞレナ」
『はーい』
外に出るグレイの隣に、1人の女性が走り寄る。
彼女の名はレナ。
オレよりもっと前から“妖精の尻尾”にいる仲間だ。
隣に来たレナの茜色の髪が、ふわりと揺れた。
『何の仕事受けたの?』
「ゴブリンが大量発生したんだと。んでその駆除だ」
『じゃあ日帰りだね』
1日で終わる仕事に、レナは嬉しそうだ。
柔らかな笑顔に、グレイの頬が少し染まる。
「ッ…ほら!列車がでちまう。早く行くぞ」
『あっ、待ってよグレイ!』
自分の顔を隠す様に。
グレイはレナの一歩前を走った。
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