only love
□♯3
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本当に君は……
「酷いよね」
「ん?なんか言った?」
踏み切り前にいるため、僕の声はカンカンとなるベルの音と重なった。
「なんでもないよ。美鶴は圭と仲直りしたいの?」
僕はさせたくないよ。
だって、そうすれば美鶴は僕とだけ一緒にいてくれるから。
美鶴と圭の間が微妙になる度にそう思う。
大方、圭のいじめすぎがきっかけなんだけど。
でも、君は……
「もちろん!涼だっていやでしょ?」
そう言うんだよね。
そして、2人を中継ぎする僕。
そんなことがある度に毎回毎回そう思うんだけど、美鶴が悲しそうな顔を見ると頑張ってしまう。
でも、もうやめた。
圭に美鶴を取られたくないから、守るんじゃなくて、攻めることにする。
「別に僕はどうでもいいよ」
「涼!?どうしてそんなこと言うの??」
「美鶴もどうしてそういうこと言うのかな?」
「え?」
「分からない?」
美鶴が不思議そうな顔を僕に向ける。
「……涼?」
「美鶴、僕、前から………」
ガタンゴトン ガタンゴトーン
「涼、ごめん。聞こえなかった。もう一度言って?」
「クスクス 何度でも言うよ。美鶴、好きだよ。好き過ぎてどうにかなりそうなぐらい美鶴のことが好き。だから、美鶴、僕と付き合って?」