only love

□♯2
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「ねぇ、圭。あの2人付き合ってるの?」

そう作ったような甘ったるい声で俺に聞いてくるのは目の前にいるこの女。

涼から名前を聞くまで名前なんて知らなかったが、木江 梨亜とか言ってたか?

この女の目線を辿ると、“付き合ってるの?”と言われても仕方がないほど美鶴は涼にべったりしていた。

それに、涼もそれを嫌がる態度は見せなかった。というか、とても嬉しそうだった。

昔から、美鶴は俺よりも涼に懐いていた。

高校どこ行くんだ?と美鶴に聞いて“涼と同じ所!”と笑顔で言われたとき諦めるつもりだった。

そもそも、俺はスポーツ推薦で国体常連校の高校に決まりかけていた。

でも、願書を出したのはここだった。

我ながら女々しいな。

今だって、ああやって美鶴を困らせるか、こうやって2人を見ているだけしか出来ずにいる。

まぁ、さっきのは涼が止めてくれて良かったけどな。

「圭!んもぅ〜私の話聞いてた?」

「は?」


「信じられない!聞いてなかったの!?」

あぁ、木江 梨亜ってどこかで聞いた名前だなとは思っていたけどアレか。

この高校一番の美女とか言われている女だ。

まぁ、顔は綺麗だし、スタイルもいい。

でも、男にちやほやされてきた結果なのか、それとも生まれつきなのか、高慢な性格をしているようだ。

男は馬鹿だからこういうのを気が強くていい女!なんて思うんだろうな。


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