only love
□♯1
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秋が深まるこの季節。
高校も二学期が始まり、みんな間近に迫った文化祭に浮き足立っている。
「美鶴、お昼休みになったよ。一緒にご飯食べよう。」
親友の雪乃の誘いを断り、私はいつもの場所を目指して走り出す。
「雪乃、ごめん。先に食べてて。私ちょっと行くところがあるから。」
「懲りないねぇ〜」
「うん!じゃあね。」
廊下には購買に昼食を買いに行く人や移動する人が賑わっていて、なかなか進めない。
あの2人が逃げちゃう〜〜
T-Cからちょうど探している2人が出てくるところだった。
「涼!圭!」
にっこりと微笑んで手を振ってくれる涼。
それから、意地悪そうにニヤリと笑う圭。
2人は私の幼なじみ。
そして、流星群を一緒に見ようと約束した同士。
2人の元にやっとの思いでたどり着き、ここのところ毎日言っているセリフを言う。
「涼!圭!部活にちゃんと出てよ!!文化祭近いんだから!」
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