忘れてください、何て僕にはとても辛い台詞です。
貴方の幸せを願うなら、そうした方が良いのでしょう。
ですが、貴方が僕を忘れてしまうなんて、考えただけでも恐ろしい。
それでも、忘れてしまうのですよね。
運命(さだめ)…ですか?
貴方が大好きなのに、貴方が大好きだから、貴方の幸せを願いたいのに、願えない。
そんな自分が憎くて、大嫌いで、死にたいと思った。
でも、死になんて勇気なくて、何もできないまま、ただ立ち止まっていた。
運命に逆らえない、なんて誰が決めた?
やってみなければ、分からないじゃないか。
でも、どうすれば良いのか、僕には全く分からなくて、気づけば、時間は残り少なくて。
「さようなら」
笑顔で言った。
結局僕は無力。
馬鹿だな、なんて自嘲の笑みを浮かべた。
目から水滴が零れ落ち、初めて自分が泣いていたことに気づく。
もう、時間は戻せない。
忘れるなんて嫌だ
ーend