□親愛なる
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そこは、上も下も無い世界。

だが、
瞼を開けなくとも、見える物は変わらないとわかっている。
よって、
今は安心して目を瞑っている。

もしも、
目を開けて見たら
変わった世界だったとしても
俺はその世界を享受し、のうのうと生きていく自信がある。
これは俺の傲りでも、狂言でも、自慢でも無い。
ただ
そうやって生きていく事が俺の使命であり、義務でもあるのだ。



もうそろそろ、この微睡みの空間から身体と意識がくっついて、仲良く出ていく時間だ。

ほら、
噂をすれば

「要様、起きて下さい」

眉間に皺を寄せた有能な奴が、一言、呪文を唱えて俺を覚醒させてしまう。


その呪文は
それまで覚醒へと自ら歩んでいたのを一気に意気消沈させ、また無限空間へと沈もうと逆進するのだ。



でも、頭の隅っこの方では、早く微睡みから抜け出し、最初に目に映った世界が変化していないかどうか、確かめたい気持ちもある。

結局、
目を開けても変わった事なんて無いのだ。

箱庭の中で、壊れてしまわない様に大切に保存され、空には蓋をされて、小さな檻に置き去りにされた俺にとって、変化なんて期待できないし、しようとも思わない。

だから安心しているのか?変化が無い。昨日と同じ。何も消えない。何も生まれない。



―――――‐‐‐‐‐‐‐

…ハッ! 結局檻の中で生きる事に、何の抵抗もしないどころか、安心だと?
これじゃぁ、貴方の手の平で満足しているのと同じ事じゃ無いか‥

貴方の駒になるのが嫌で、せめてもの抵抗にと、何事にも無気力を装おった意味はあるの?
はっきり言って、意味なんてまるで無いのさ。
ただの自己満。
そんな抵抗、貴方にとって見れば子供の可愛い我が侭程度。

その気になれば、手の平から払い落とす事も、首を絞めて黙らせる事だって簡単にやって退ける人でしょう?

……ねぇ、お父様‥

貴方の玩具は、大切に箱庭(硝子匣)に入れられ、そこを安全で、日常だと思っていますよ。
まさに貴方の計画通り。全て順調に進んでいます。

…ただ、中に入っている玩具は、匣の中で粉々に壊れていますがね…

俺の最後の抵抗、貴方の手の一部にでも傷を付ける事が出来たでしょうか?

―――それも、貴方の計画の一部なのですか?



親愛なるお父様へ

要より


〇後書き

…はい。なんか、うまくまとまって無いっすね。
すいませんm(__)m

本編では見せない、要君の歪んだ感情やら、お父様の事だとか…

本編がなかなか進まない上に、何処に掲載しようか迷った結果、なんだ〜、ここでいっか。的なノリで、こんな場所に載せてしまいまして…

☆結果、何が言いたいのか見失った作者

お粗末様でした‐没
 

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