銀
□気ままな猫に翻弄されて
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「「「HappyBirthday!!!高杉君vv」」」
8月10日。
今日は、高杉の誕生日と言うことで、寺子屋では高杉にプレゼントを渡しに来る女の子達が、後を絶たなかった。
この頃から高杉は、顔立ちが整っている上、頭も良く、切れ易い点を除けば、文句をつける所もなかったので、自然と人が集まった。
しかし、彼自身は、あまり友人を作らなかったし、心を赦した相手以外との間には、一定の距離を置く様にしていた。
そんなわけで、女の子達は、なんとかこちらへ振り向いてくれないかと、健気にプレゼントなどを渡し、自分の好感度を上げようと、躍起になっていた。
そんな女の子達に、適当に礼を述べて、いつまで経っても、切がない場から、速足で逃げ出した。
適当に足を進めていると、後ろに何人かが付いて来ているのに気づいて、物陰に隠れてやり過ごす。
「…高杉か?」
そう呼ばれて、振り向いたら、其所には真面目で、優等生で評判の、桂小太郎が、首を傾げて此方を伺っていた。
「…なんだ、ヅラかぁ」
「ヅラじゃない、桂だ!何度訂正させれば気が済むのだ 貴様は」