捧
□5777-かな様
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「銀八先生、まだ終わらないのー?」
「悪りィ、まだ終われそうにないわ。少し遅れて行くから、先に行っててくれ」
とは言ったものの、山積みになっている書類の量からして、少し遅れる程度では済まないと言うのは見て取れた。
今日は文化祭の合唱コンクールで、見事金賞に輝いた3Zのメンバーと打ち上げに行く事になっていたので、銀八にしては珍しく、昨日のうちに仕事は全部片したのだが、急に新たな仕事が増えてしまい、残業するはめになった。
「……あーあ、終わる訳ねーつーの」
誰も居ない職員室でそう一人愚痴ると、空になったカップにお茶を淹れに立ち上がった。
その時。
「失礼しまーす」
「あれ?何お前、帰ってなかったの?」
入ってきたのは、俺の教え子でもあり恋人の土方だった。
「アンタのこと待ってたんですよ。まだ終わらないんすか?」
「あー、ダメっぽいわ〜。あいつらには悪いが、今日は無理だって伝えてくれ」
「……今日までにやらなきゃいけないことなんすか?」
「進路関係の重要な書類だからな〜」
隣のクラスの先生がインフルで休んでて溜まってた書類をあのバカ校長に押し付けられた。
「……どーせ、仕事しなくて溜まってたんだろ?ったく、普段から仕事ててくれ」
土方は普段の銀八の言動を考慮して、そう述べただけだった。だが、これは明らかな失言である。
「おい、おい。俺は確かに普段仕事してないけどよ………今のは土方君が悪いよね?」
「………!?ちょッ、先生っ!?」
土方を近くの机に押し倒し、未だ状況が理解出来てない土方の腕を一まとめにして押さえ、素早く学ランの前を乱していく。
「俺さぁ、ちゃんと仕事してたんだぜ?」
「…先生っ」
「でもさ、土方君のこと構ってなかったのは悪かったとも思うわけよ?」
「…?」ビクッ
「だからさ、今からたっぷり可愛いがってやるから、それでチャラにしてくんない?」
ニヤリと笑うと、土方にキスを落とし、だんだんと深いものにしていく。
「…ッ、せ…んせ」
キスで酸欠になった土方は抵抗できなくなり、躯の力も入らなかった。
「ちょ、ここ職員室だって…」
「いんだよ!どーせ、誰も来ねーし、誰か来たら、土方君のイケナイ姿見てもらおうじゃんか?」
「アンタ、何考えてッ!!?」
「んー?土方君のこと」
「あ ふっ…んッ」
いつもの気だるそうな銀八の姿は全くなく、徹底的に土方を追い詰めている。
銀八とは何度か躯の関係はあるものの、今日のように激しいのは初めてだった。
怒りが全身から感じられ、獣のように土方の全てを食らい尽くす勢いがあった。
汗で引っ付いたワイシャツ越しに、銀八の熱を感じて、彼が中へ出したのとほぼ同じタイミングで果てた。
「先生、すみませんでした……俺 なんかイライラしてて……先生が来れないって聞いて…その……寂しくて‥」
「……土方///」
「だから 今度一緒に焼肉屋行きたいです!」
「わかった 今度食べに行こう!」
「先生………」
「今の言葉、しかと聞きましたぜ?」
「ああ、………って?え?なな何で沖田君がここにィ?」
「おーい、皆、先生が焼肉おごってくれるらしいぜー」
突然窓から現れた沖田に、銀八は大混乱したのは言うまでもない。
「待て待てェッ!!俺は拒否権を発動する!」
どこかで聞いたようなセリフを叫ぶが、沖田はスルーした。
「先生、俺なんか偶然こんなもん見ちゃったんでさァ」
携帯の画面には、銀八と土方の画像が…。
「待て、おお沖田君?何が目的だい?」
「流石、先生。話が早いでさァ」
後日、3Zの姿が高級焼肉店にあったとか。