捧
□1300-優樹菜様
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「銀っやめ‥、くっ///」
「我慢しろ」
「ダメだって、バレたらどーすんだっ」
「んー…。見せつけちゃう?」
「馬鹿か、てめー!」
「あ、やっぱしやーめた」
「…?」
「こんな可愛い高杉を他のヤツに見せたく無いわ」
「ハァ?意味わか‥―――!」
――――チュゥッ
「…この続きは部屋で、じっくりとな?(ニコ)」
「〜〜///」
『〜〜〜って、何やってるんですか銀さんッ!!(いくら誰も居ないからって白昼夢から!)////』
偶々万屋に立ち寄ってみれば、主人は昼間から恋人とイチャついている模様。何故こんなタイミングに出会してしまったのだろうかと自問自答を繰り返すが、後悔より速く、二人の吐く吐息の熱い息遣いに、顔から火が出た様に熱くなる。
「―――あ、銀時、そんなトコ、舐めんなぁっ///」
「馴らさねーとキツイって」
「あ、んっ」
早いとこ、この場から立ち去りたい…。愛し合う二人の衝撃的現場を目撃した新八は、足音を消して退散することにした。身体を反転させ、戸口に向かって全速力でダッシュする、が、何が不幸か、古紙回収の目的で玄関前に積み上げられていたジャンプの束に跌き、派手な音を立ててすっころんだ。
「!!」
「ッく!!!!」
「あっ――」
「――わりぃ、急に締め付けるから‥」
その後の記憶は、酷く曖昧だ。気付いた時には実家におり、出迎えた姉上の話しでは、ひどい酸欠の上に、姉上の顔を見たと同時にフラフラと倒れこんだらしい。
姉上は、ただ一言。「何か悪い夢でも見たのよ」と言って、「きっと今日の暑さにやられたんだわ。しばらくは、ちゃんと寝てなさいね。それに‥」と言い残し、冷たいモノでも買って来るわねと買い物に行った。
あれは、夢だったのだろうか?
赤い夕日が差し込む部屋で、もう一度目を閉じた。解らない事は、いつまでもウジウジ考えていても仕方ない。さっきのは心の準備が出来ていなかったので、パニックになってしまっただけだ。冷静に考えれば、どうって事は‥―――――
「/////」
16歳にはまだまだ早い体験をすることになり、新八は二三日熱を出したとか。
後日、回復した新八は、すっかり気を取り直して万屋へ行く。すると、かれこれ4日ぶりに会った主人の顔には大きなビンタの跡が二箇所にあり、痛そうに顔を歪めているではないか。
おそらく片方は恋人のモノだろう。もう片方は……
背筋が一気に凍っていく。
[「しばらくは、ちゃんと寝てなさいね。それに‥
新ちゃんにとんでも無いモノ見せたヤツは、片付けて来るわね」]
―――――姉上…
以来、万屋では情事は行われなくなったとか、そうでもないとか(笑)