捧
□567-修羅姫様
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あと一匹、こいつで終わりだッ!
――――ズシャッ
「ギャァァァ゛ー」
醜い声を上げ、倒れる天人。最後の一匹を倒し、周りには数人、自分の他に立っている、見慣れた姿がそこにはいた。
「ぅおーぃ、生きてっかぁ?」
周りには倒れ重なる屍の群れ。先程まで一緒に暮らしていた仲間たちの死体が、そこらじゅうに広がる、悲惨な光景であった。だが、そんな中でも呑気な声で呼びかける者も、返す者もいるわけである。
「何とかぁ生きちょるわ。少しばかり疲れたがのぉ」
「…相変わらず、しぶとい奴らだ。‥グッ、」
「おい、しっかりしろ、ヅラ!」
「…ヅラじゃない‥、ぅ、桂だ・・・」
どんな状態でも、訂正を怠らない桂。しかし、傷が深く、痛みで身体を動かすのもやっとの状態であった。
「坂本、ヅラの事頼む」
「金時は何処行くんじゃ?」
「金じゃねぇ!銀時だって何回言わせりゃ気が済むんだよ!このモジャモジャ!もう一人の鬼のところだよ」
「鬼?あー、アイツかぁ。止めとけ、止めとけ。今近づいたら斬られるぞ(笑)」
「だー、もうっ!んな事、知ってるつーの!
だいたい、今見なけりゃ、次いつ見れるか解んねーじゃねーか」
そう言うと、白い鬼は笑って林の中へと消えた。その姿を、坂本は何度見た事だろうか。