変態
□「お兄ちゃん」でも可っ!
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騒ぐ生徒達を分け入って、校舎に入れば、先ほどの騒音が嘘のような静寂が訪れた。
聞こえるのは、遠くから聞こえる生徒達の騒ぎ。自分と隆也の足音のみになった。
「この校舎は、許された者以外は決して入れないようになっています。ので、あの輩はここへは入って来れませんよ」
…まあ、『許された者』って言う輩が一番厄介なのですが…。
「隆也くーん。せっかく二人だけなのに仏丁面はやめない?」
気付かぬうちにまたやってしまったらしい。
「はい。そうですね//」
…そう、せっかく二人だけなんですよ++(キラーン)要様、どうです?俺、ちゃんと笑えてますか?←爽やかスマイル☆(要専用)
「お、要ー!」
「あ、麗だ」←鮮やかな棒読み
‥って、見てねーのかよッ!
「…赤沢、後で覚えてろ」←ボソッ
「な、何で‥ヒィッ!」
ドス黒いオーラを浴びて怯む赤沢の後から、もう一人が駆けてきた。
「おーい!麗、何急いでん‥だ‥あ!隆也先輩、」
隆也と赤沢の二人を見て、何か察したのか、麗の頭をグイっと下げさせた。
「すいませんでしたっ。うちの麗がまた何かご迷惑をおかけしまして!」
えええーー!!?(麗)
あらー(要)
っ!?(隆也)
三人三色?(笑)リアクションの違いも気にせず、ひたすら麗を謝らせる慎一。
「…あー、そこまで頭下げなくて良いよ?隆也と麗の挨拶みたいなもんだから、ね?(あの麗が隆也に頭下げてるよ…。今日は雨だな)」
「西園寺さん、」
「ほら、教室行こう」
「はい、。行くぞ。麗」
「何で俺が謝らなきゃいけねーんだ‥?」←ブツブツ
「あ、待って下さい。要様、そっちじゃないです‥」
さっきまでの静寂が、嘘のように崩れていく。それも全て、マイペースな要のせいなのだが、本人はこの騒がしい周りの雰囲気を、くすぐったそうに目を細めて見ていたのに、隆也は気付いた。