空の色
「盲目の魔道士?」
テーブルに料理を運んできたおばちゃんは、高らかに街の名所や噂話を始めた。
そのうちに、引っかかる単語を見つける。
「盲目っていっても見えないわけじゃなくてねえ、魔法を使うときだけ必ず目を瞑るんだ。そっから盲目って言われるようになったんのさ。大層な通り名だけど、綺麗な紅い目の可愛いお嬢さんだよ!」
からからと、おばちゃんはおおらかに笑う。
紅い目……?
「……リナ、」
「わかってる。」
ゼルガディスの物言いたげな声を制して、おばちゃんに笑顔で向き直った。
「その“盲目の魔道士”さんってどこにいるの?」
『紅妄鏡-コウモウキョウ-』
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