&‐アンド‐

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「なん…で!!?」






心も。
君は私より弱っていた。
ゲーチスに言われた一言が、Nの心を乱し戦いにも影響した。
不覚にも…この勝利はゲーチスのお陰と言っても過言ではない。



ゾロアークも…分かってたんだ。
Nが忌み嫌われて、それでいてN自身も薄々気付いて逃避した。
それが今のNという人に形成されていったんじゃないかな。






「そんなっ…僕が……僕が…」

「…私に勝ったら何か分かるんじゃないのかな?」

「…勝ったものこそが、本当の真実…」





ゆれる瞳の奥で、何かが光ったような気がした。





「僕が、間違っていた…って?」

「…そうだよ」

「…分からない。わからないよ、リリィ」






膝から崩れ落ちる、N。
抱きしめられるほど近くにいるのに、私は動けなかった。
動くことを許されない。Nを簡単に許してはいけないんだ。
例え、それが間違ったことだったとしても。
Nは分からなきゃいけない。
いつまでも甘えたままで、それじゃ大人になんかなれないよ。





「…ゲーチス。これで、後は」

「弱い」

「!!!?」





鈍い音が、響き、渡る。





何が起きたか理解するのに、時間がかかった。
単純なことだ。




ゲーチスが、Nを、殴り飛ばした。







「っ…N!!!」





駆け寄ろうとするが、それよりもゲーチスが先に向かっていく。
さらに続ける暴行。
顔を蹴飛ばし、腹を殴り、綺麗だったNの髪が、身体が、汚れてく。




「化物は、所詮低俗な下種としか使えなかったな」





自分の中で、何かが切れる音がした。
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