&‐アンド‐

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そして…勝ったら…勝ったら…。





「…」





その後の思いは、自分の心に閉じ込めた。
深く深く深呼吸をして、息を整える。





「シャンデラ、怪しい光!!!」

「シャララァ!」

「ゼクロム…避けろ!」






カタがつかない…。
Nは果たしてポケモンはゼクロム一匹だけなのか?





…いや、そんな分けない。
これはまだ余興に過ぎない。






「ゾロアーク!!!」

「!!」






Nが叫べば、突然その姿を現す。
まるで…ダークトリニティのように。






「…へぇ」

「…君は、僕に今まで様々な事を語ってきた。」

「…馬鹿らしいと?」

「さぁね。でもさ…僕は少なくとも君に出会って、色んな事を考えたよ」

「…!」

「…でも、結局、結論は君に勝ったら分かりそうな気がしてね」






それには、私も同意だ。
ごちゃごちゃと面倒な考え事は捨てて、思いっきりバトルをしよう。
もう結末なんてどうにでもなれ。





「ゾロアーク、シャドーボール!!」

「シャンデラ、もう一回怪しい光!」




―――負けてしまったら、イッシュが滅茶苦茶になってしまうかもしれない。
チャンスはこの一度きりかもしれない。
そう分かっているはずなのに。



なのに。




心の底から楽しいと思える。




口元が緩んでしまう。








ずっと、このままがいい。








そうはいかないのは分かってるけど、ギリギリの状況で戦う感覚。
ポケモン達が必死に私の為に頑張ってくれる。
嬉しくて、楽しくて。



やっぱり私は心から大好きなんだ。




ポケモンも。
…Nも。







「私、今が楽しいよ―――」








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