&‐アンド‐

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私はアルバムを拾って、隠し扉の前まで来た。
梯子がかかっている。
どうやら人間の誰かによって作られたのだろうか…。
地下室みたいで暗い。というか見えん。




「シャンデラ!」





という訳でここで活躍シャンデラさん。




「鬼火で、明るくして」

「シャラ」





ぽっ、と音を立てて無数の鬼火がシャンデラの周りを取り囲む。
これで明るくなった。
…フラッシュいらなくね?
ゆっくりと梯子を降りていき、地面につくとそこはもう一つの廊下があった。
城と同じ構造の部屋は無い廊下だけの道。




「…ここは」




ゾロアークが再びこちらを振り向いて、また歩いていく。
すると、どこともなく音楽が流れ始めた。





「…この音楽は?」





なんだこれ不気味だぞ。
どういうことだ新手のホラゲーか!!?
子供じみた、どこか音が一つ外れているような。
壊れたオルゴールの音。





「…けほっ。こほっ」




咳が出始めたか…。
うーんどうしようもないかなぁ。





「時間が、無いの、か…」






それはどういう意味で、時間が無いのだろうか。
エンディングを迎えたら私は消えてしまうのか。
それとも本当の世界に帰るのか…。
帰りたくないといえば嘘になるけど…私はまだ帰るわけにはいかない!!




「扉がある…」

「!」





ゾロアークが一声鳴いた。私も顔を上げた。
小さな木の扉。
その扉の前でゾロアークは立ち止まったまま。





「…この先は、私たちだけで行けと?」




コクン、とうなずく。
そうかならば。





「行こう…ゾロア」





ドアノブに手をかけて、扉を引いた。






もしかしたら、その先にあるのは予想もしていなかったことかもしれない。
ゲーム通りじゃないかもしれない。
でも。


それでも進まなきゃ。
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