&‐アンド‐

□29
2ページ/4ページ







「…おま、え…なぜ、それを」

「知ってるかだって?」





そっと、ダークトリニティの頭に手を置いた。





「…それは、教えられない」

「…」

「でも、私は非力だから、何も力になれない」

「…」

「だから、君たちには…伝えたくて………ねぇ、一緒に来ない?」

「!?」





その言葉に驚いて、ダークトリニティは顔を起した。
その表情は―――



ゲームで見たのと違っていて。






「ゲーチスに命拾われたんでしょ?分かるよ。大事な人だもんね…皆そうだよ。
トウコにトウヤ。チェレン、ベル。ジムリーダーの皆…
……ヒサキさんも、バル子さんも。皆大切な人がいる。
だから強くなれる」

「そんな根拠…どこ、に…」

「私も、もちろんそうだよ。Nの為に戦う。君たちはゲーチスの為に戦う」

「…」

「誰かの為に強くあろうとしてる。決して悪いことじゃない。寧ろいい事…」

「……」

「君たちの、意味。ダークトリニティとしている意味。君達は―――」

「…それは」

「ゲーチスに必要とされている。
感情が無いだとか、そんなのどうでもいい。洗脳されていようが構わない。
どんな事の意味でも、君達が誰かに必要とされていることは真実(ホントウ)なんだよ?」

「…うるさい」







ぎゅ、とダークトリニティが拳を握る。
見上げた表情。
その瞳に写るのは…。





「……誰も、失いたくない」

「…?」

「皆に、さよならなんて…言われたくないの…」






エンディング間近。
そろそろ来るであろう、Nとの別れ。
絶対的。
逃れられない運命ならば。
少しでも、皆が傍に、どこにもいかないで欲しい。
なんて…私のエゴだけど。





「…闇で生きる事が幸せなら、それで構わないけど」

「…」

「私は、ずっと君たちとバトル、してたいな」





ダンッ!!!!





「ぐぅ…」




ダークトリニティが身体を起して、私の胸倉を掴み、そのまま壁に叩きつける。
びりびりと背中が、痺れる感覚。熱い。




「黙れ…いつまでも戯言を言っているつもりだ…!!」

「…」

「我々はゲーチス様以外誰もいう事を聞かない…!お前のような小娘に何を…!!!」

「じゃあ強行突破だ」




えい、とダークトリニティを抱きしめた。
…短編といい(あ、ネタバレ?宣伝?テヘペロvv)どうにもこういうフラグ立ちまくりだけど。






「っ!!?」

「私は知ってる。君達の温もりを。こうやって、君達はちゃんと生きてる。生きてるんだよ」





だから。





「死んだように生きないで。あなた達は、生きてるの。命を投げ捨てるようなこと、しないで」

「離せ!!!」

「離さない。君達は私が思うに昔のあの子と同じ…私ね」





今からいう事、本当だよ?
嘘なんてついていないよ?






「君達の事、大好きだよ」








偽りの無い、事実。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ