&‐アンド‐

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「"エル様…?"」

「極端な話、白は黒を塗り返すことが出来る。修正可能さ。
だけど黒は修正不可能…インクが零れたら、もうそれでおしまい。
だからきっと白の存在として、私は…」






そこまで言って、ドアがノックされた。





「"時間です、エル様。式の準備が整ったようです"」

「うん。よろしく」

「…式?何のこと、ねぇ、リリィ?」






にっこりと笑ってゾロアをベッドの上に乗せて、その頭を撫でた。






「ばいばい」





手で兎の形を作って、ぐずる子供をあやすかのようにして部屋を出て行った。
バル子さんが「"私、手でカニ作るの得意ですよ"」と冗談めいたこと言いながら、歩を歩めた。











***













「"いいですか、エル様。これからあなたはプラズマ団の王であるN様からティアラを頂きます。そして一礼し…"」





重々しい扉の前で、私はバル子さんに儀式のやり方を教えてもらった。






「威厳をお忘れなく」

「あはは…できるかな」

「できますとも。エル様なら」





息を吸い込んで、深呼吸。
やっぱりどこでもどんな場面でも、注目されるというのは緊張する。
さて、そろそろ…終わりにしよう。





このティアラを頂いた時、私は女王になる。





全ての伏線をばらばらにするくらい。
物語は一本に繋げる為に。










希望?
そんなもの一体誰が信じたというの?








希望は当の昔に捨て去ったのだから。
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