&‐アンド‐

□22
3ページ/5ページ





ヒサキside






「殺す」

「怖いよ」





イライラする。
本当にイライラする。
開口一番こんなこというのもアレだが、今はキャラの面子なんぞに構ってる場合ではない!




「バル子の奴…ふざけているのか」

「それにリリィちゃん、大丈夫かなぁ」

「ベル!起きたのか?」




チェレンが驚く。
まぁ、今の今まで逆によく寝ていたよな。
すごいぞ、その神経。




「うん。一応話は大体聞いてたけど…私、ポケモンとられなかったよ?」

「「「「!!!?」」」」





なん…だと…?




「死んだ振りしてたら、そのまま連れてこられちゃったー!トレーナーに見えなかったみたい」






笑顔で言うが、それは空しくないのか…?





「ああ、そうだっ!!初めまして…っていうより、お久しぶりですヒサキさん」

「お。覚えてるのか?」

「覚えてないですけど、ヒサキさんの昔の写真なら家にあります。大人っぽくなりましたねー」

「…む」

「あ、ヒサキ姉が照れてるー!!」

「て、照れてないっ」





話が脱線してるぞ。
しかし…プラズマ団は鈍いのか……それともただの馬鹿なのか…。


だが、脱出の糸口は見つかった。




「そ、それより。ベル。お前の手持ちであの鍵を取ることはできないか?」




牢の向こう側にかけられている、鍵。
もちろん無造作に壁に掛けられているのではなく、小さい正方形の扉の奥にしまっている。





「できるよ!おいで、ムシャーナ!」




しかもエスパータイプじゃないか。
運が良かったと言うか…。





「ムシャーナ、サイコキネシス!」

「ムシャ!」




すると、扉が勝手に開き鍵がこちらまで勝手に漂ってきた。
そして鍵穴に差込み、ガチャリ、と音がする。




「よし!」

「よくやったね!!ムシャーナ!」





しかも今は見張りがいない。
逃げるならいまだ!!




「いいか。それぞれプラズマ団の連中に見つかったら、出来るだけ逃げろ。雑魚だが無駄な体力は消耗させてはいけない。
それに今はポケモンがいない…だから、むやみに突込むなよ?」

「もちろん」

「そんな愚行は犯さないよ」

「ヒサキ姉も無茶は…しないでくださいよ?」




それは頷けないな。
今は何より、怒りで我を失いそうだからな。
逆に笑える。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ