&‐アンド‐
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「クルッポー」
鳴き声が某海賊漫画のあのハト野郎のハトに似ていた気がしたが、スルーしておこう。
「いた。足についてるね」
「任せろぃ!」
木に止まっているマメパトを見つけた。
足には伝書鳩が付けている様な、長細い筒がついていた。
ゾロアは器用に木に登っていくと、素早くマメパトを捕まえた。
「ナイス!!」
「これだね、指輪って」
指輪さえ取ってしまえば、あとは大丈夫。
ゾロアはマメパトを放しこちらに戻ってくる。
案外難しくなかったね―――
と、口からでかかったとき。
「それは俺ンだあああああああああぁ!!!!」
「渡しませんよおおぉぉ!!!」
「んなっ…!!?」
周りで見ていたのか、まるでハイエナの様に人々が襲い掛かってくる。
そうか。そういうことか。
「難しいのは…ずっと指輪を死守していることか……!!」
男達の目がやばい。
本気だ……一体優勝商品に何があるというのか。
「逃げろっ!!!」
「のふっ!!」
1時間逃げ切れる…鬼ごっこのようなものか。
だがしかし!!1時間逃げ切れるなんて楽勝だぜ!!
***
「…あーーー」
無理でしたごめんなさい。
人数に、負けました。
途中までは良かったものの、ゾロアが転びそこで振り替えた隙をついて、指輪を取られた。
今は呼吸を整える為、ポケセンの隣で座り込んでいた。
「血でてるね…もう少し待って。これが終わったらポケセン行くから…」
ゾロアの頬をハンカチで拭いて、今にも泣きそうなゾロアの頭を撫でる。
「リリィごめ…っ…俺が足引っ張っちゃった…」
「いいよ。優勝しなくたって。勝つことが、全てじゃないんだから」
「……ごめんね」
「問題ないよ」
そういえばイリュージョンって、ゾロアに攻撃されたら姿が元に戻るんじゃ…?
「ゾロア、無理してない?」
「うん」
「……無理しなくていいよ?」
「………あとちょっとで終わるから、それまで我慢する」
「エライ。それでこそ男だ」
モンスターボールからウインディを出して、ゾロアを背中に乗っけた。
もふもふしていて、とても気持ちよさそうだった。
「いーなー…ウインディ進化できて」
「ガウ」
「…おれ?おれは石は必要ないらしいんだ」
「ゾロアだって進化しなくても、そのサイズだって良いよ。私の肩は君の特等席でしょ?」
「うん!」
それから、奪ったり奪われたりが続いた。