&‐アンド‐

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少し時間を遡って、ゾロア達はと言うと。
リリィと逸れた後、ファンの荒波に呑まれながらもアーティとゾロアはそこに立ち尽くしていた。



「…あれぇ?」

「…(イラッ)」

「やっぱ…逸れちゃったみたいだねぇ……」

「(さらにイラッ)」

「ごめんね」

「(爆破寸前)」

「…?」




アーティは、何の反応も示さないゾロアを見て首を傾げる。




「どうか、したの?」

「何でも…」

「でも、怒ってるよ」

「怒ってない」

「僕にはそうには見えないけど?」

「…あんたの目が、おかしいんじゃない?」

「黒い発言だね。リリィちゃんの前ではあんなに大人しかったのに」





意地悪な、表情を浮かべてゾロアの前にしゃがみこむ。
そして視線を合わせようとする。が、ゾロアは逸らす。





「……さっきっから」

「?」

「うっとおしい、んだよぉ!!!」

「っ!!」



ゴッ、と鈍い音がしたかと思うと、ゾロアは思いっきり後ろに振りかぶって、アーティに頭突きをかました。
思わず、アーティは後ろに倒れた。





「何!!?紳士気取りかコノヤロー!!!」

「…な」

「リリィに媚売ってなんじゃいボケェ!!!リリィはおれのだし!!!」




なるほど、と言わんばかりにアーティは両手を叩いた。




「そういう事なんだね(…嫉妬かな?)」

「あぁん!!?」

「残念だけど―――」




つい、意地悪をしてしまおうと思いアーティは言う。





「リリィちゃんは僕がお嫁さんに貰うから」

「…」

「…?」

「…」

「…υ?」




ゾロアが困惑した表情で、こちらを見ていた。
むしろアーティは逆に無言なことが不安になってきた。





「え…?リリィ…が嫁?」

「え?」

「…リリィって婿じゃねぇの?」

「…は?」

「…え?」

「男…じゃないよね?」

「うん」

「なんで?」

「…いつもある人に対して俺の嫁発言してるから」

「…(狽サう来たか)」

「だからリリィって婿じゃ…」

「それはちょっと違う…かな…(子供の前であの子は何を言っているんだ…?)」




苦笑しながら、アーティは言う。
ゾロアは良くわからなさそうな表情を浮かべて「まぁいいか」と呟く。
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