&‐アンド‐

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「チェレンにベル…」

「リリィには言いたいことがあるけど…僕らも悪かったよ。助けられなくて」

「ごめんねリリィちゃん」

「いや、大丈夫だよ」




私はぎゅっと拳を握り締めた。
一瞬チェレンが私の顔を見て、視線を逸らしたけれど。




「なーに辛気臭くなってるの?」

「うわぁっ!!?」




チェレンの肩に寄りかかる人物。
ポニーテールにピンクと白の帽子。
黒と白のノースリーブの服に短パン。


もしや、まさか…!!




「君がリリィ?私トウコ!よろしくね!!」




トウコちゃんキタコレ!!
私はテンションが30上がった!!



「話しは聞いてるよ。アララギ博士にも伝わってるしね、リリィの活躍」

「え?ど、どういう事…?」

「プラズマ団を何度か追い返したそうで…結構トレーナー達の間で有名なんだよ!
何でも優しく強いポケモントレーナーだとか」

「優しくなんか…無いですよ」

「それに電気石の洞窟での出来事もトウヤから聞いてる」

「…なら尚更」

「勝ち負けが大事なの?それにリリィのポケモンは今こうして“生”きてるじゃん!!」




トウコちゃんの言葉を聞いて、私はハッとした。


勝ち負けは、関係ない。


気がつけば私はその事ばかりだった。
負ければゲームオーバー。
そればかり。


でもここは現実だ。
ゲームは関係ないんじゃないかな。
ここは現実だからポケモンは死ぬ。
それが当たり前……そんなことに気がつかなかったとは。



私は深いため息を付いて、トウコちゃんに笑いかける。




「…大事なこと忘れてた。ありがと」

「いいよ!さ、辛気臭いのは終わり!!航空イベントも明日始まることだしね」

「航空イベント?」




私が首を傾げると、トウヤがジュースを片手にやってきた。




「フウロさんが開くひこうタイプのポケモンのイベント」



ほれ、とミックスジュースを私に投げ渡してくれた。




「えぇ?リリィにだけ?私のは?」

「我慢しろよ。あ、リリィ。こいつ俺の妹な」




兄妹設定…だと…!!?
マジですか!!!神様ありがとう!!!




「各地のジムリーダーがフキヨセに集まる5年に1度の大イベント。
フウロさんが放つマメパト数百匹の中から、足についてる「指輪」を奪えば…」

「ジムリーダー全員から豪華商品がもらえるって!!」




ベルが目を輝かせながら言う。
しかし。だ。



「つまり…それは奪うまでが相当大変だって事だよね…?」

「そうなるね。かく言う私も…その為にフキヨセシティに来たんだけどね」

「……簡単にバッジは手に入らない、か」

「それは2組での参加じゃないとダメらしい」

「それだけ難しいって事?」

「そうね。難しいわ。だから2人らしい…リリィはどうする?誰と組む?と言っても…私はトウヤとだし…」

「じゃあリリィ僕とk「私チェレンと組む!!」




チェレン、どんまい!!
トウコとトウヤ。ベルとチェレン。


…あれ?
何この疎外感。完全にあまったじゃん。
と。ここで妙案が思いつく。するとゾロアも「あっ」と声を漏らした。




「「そうだ!!」」




二人で顔を見合わせて、言う。
ゾロアは肩から下りると。




ボゥン!!




変化した。
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