&‐アンド‐
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ガタンッ!!
「トウヤ…?」
「俺、そんな話し聞きたくてここにいたんじゃないんだけど」
トウヤは立ち上がって、言った。
顔を私から逸らし、その表情が読めない。
「もう、勝手にして」
「待ってトウヤ」
ポケセンから出るトウヤを追いかける。
なんだろう。怒ってるみたい。
やっぱり…
「トウヤ、ごめん。皆に心配かけちゃったけどさ……私は、もう」
「Nに関わらないって、ここで約束しろ」
「……っ」
「それが出来ないなら、俺に話しかけんじゃねぇよ」
「トウ、ヤ…」
「分かったらポケモンセンターに戻れよ」
「…次は、護る」
「は?」
トウヤは私に背中を向けたまま。
私は続ける。
「次は、皆を護るよ」
「っな…!」
「自分の感情にばかりに流されて、馬鹿みたいで……でも、もう負けない」
「…」
「次…は、トウヤたちを護るから」
「そんな事」
「私は、誰にも負けない」
「…っ///」
「トウヤ?」
「ばっ…!こっち見んじゃねぇよ!!」
私は、トウヤの肩をつかんでその顔を覗いた。
「!」
「っ〜〜〜!!」
その表情は真っ赤で、少しだけ涙目だった。
いつもテンションが高いから、こんな顔もするのかと私は思った。
「泣いてるの?」
「泣いてねぇよ!!」
「今日、行こうよ。皆でタワーオブヘヴン」
「…え?」
「私も大事な用が出来ちゃったし…それにジムバッジ返さないと…」
「……もう、勝手にどっか行くなよ」
「行かないよ。ちゃんど決めたから。いつまでも迷わないで、道を歩く…ってね」
トウヤは帽子越しに、私の頭を撫でた。
そういえばこの帽子がNの家からパクったって言ってないけど…必要ないか。
「ところでリリィ」
「何?」
「ゾロア、窒息死しそうだが」
「!!!」
そういえば、口を押さえたままだっけ。
手を離して、ゾロア救出。
「ぶはぁっ!!!し、死ぬかとお…もった」
「あはは。ごめんごめん」
「ポケセン戻るか」
「うん」
と、一歩踏み出した所で突然私はすっ転ぶ。
何かに脚が引っかかったような…
「いっ…」
「ダッセェ!!何してんだよリリィ」
「え?何かに引っかかったような?」
「何もねぇぞ」
「…気のせいか」
何と無く違和感があったけれど、気にしないことにした。