&‐アンド‐

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「…良かった」

「ズァア!」




嬉しそうに頬を舐めてくるオノノクス。
私もニッコリ笑って、立ち上がる。
……ん?



「…あれ。ランクルスは?」

「…ズ、ァ」




いねぇ。
いないんだけどおおぉ!!!!


待て待て待て。
さっきサイコキネシスでガラス割ってもらって、で、どこいったアイツうううぅぅ!!!!
なんで攫われキャラになってんの!?




「ちょ、ランクルス!!!」

「ズアアァ!!」





雨足が、弱まった。
そういえばさっきトルネロスは去って行ったから、もう晴れるのか。

ふと上を見上げれば青空が覗いて―――


いや、違ぇだろ。
ランクルス何処行ったあいつ。




「はっ!観覧車の所にいるかな!!」




ぐしゃぐしゃになった服を気にする事無く、走って戻る。
遊園地に戻れば、野次馬は数人いたものの今は片付けの作業に入っていた。
辺りを見渡しても、かいりきポケモンしかいない。




「ランクルス…どこ行った……」

「ズアアァ!」

「!」




オノノクスが声を再び荒げて、観覧車の奥の方を指差した。
そこにはランクルスの姿が。



「俺のポケモン!!!!」




風の様に走っていき、スライディングしてランクルスをキャッチ。
だが、それと同時に猪が突進してきた。


危ねぇよ!!!





「ちょ、何してんの君!俺が今から珍しいランクルス捕まえようと思ってんのにさぁ!!!」

「…は?」

「ポカブが突進し損ねて気絶してるじゃん!!」




後ろを見れば、木に頭をぶつけて気絶してるポカブ。
猪じゃなかった。




「その子こっちに渡してくれないかな」

「これ、私のポケモンだが」

「…え?」

「私のポケモン」




と言って、私はランクルスをモンスターボールに戻す。
何やってんだコイツ、と顔を上げてみれば―――



コイツ、トウヤじゃん。
BWの主人公(♂)じゃん。
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