&‐アンド‐

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家の影で隠れて、私はうずくまる。
心配そうにオノノクスが私の頭をつつく。
今は、今だけちょっと弱気にならせて。
お願い。



「ズアァ…」

「オノノクス…」



心配するオノノクスの頭を撫でる。
そっと外を見れば、先ほどよりも人がたくさん増えていた。
これなら、Nにも見つからない。


それよりも…さっきなんで観覧車が落ちたんだろ…
Nが言うにはトモダチがどーとか……




「……」




ザアアァァ!!!
突然の豪雨に、驚く。
この雨、雷……ま、まさか…!!!




「…」




ちょうど、私達の上を飛んでいった緑のアレ。
なんか雷神的なアレ。




「トルネロスううぅ!!!?」




そのままトルネロスは去って行った。
なんで出現してんだ。
なんでいるんだお前は。




「……冷たいね」

「ズアァ」




犯人はトルネロス、って事で。
なんだか、もう悲しくてさ。
もうやる気無くって。
つまんないな。
ポケモンの世界って。




「寒いね……」

「ズァ!!?」




オノクススが声を荒げる。
それを聞いて、ふと顔を上げれば―――



身体が、薄く…



「嘘ォ!!?」



千と○尋の神隠し!!?
オノクススを触ろうとしたが、スカッと通り抜けべしゃっと言う音ともに泥だらけになって倒れた。



「嘘……嘘だ」




消えるなんて。
Nに「この世界の人間じゃない」なんて言われたから?
ポケモンの世界なんてつまんない、なんて言ったから?




「バカじゃん…私……」




そんな事、思った自分がバカだった。
ポケモンは大好きなんだから。
それには変わりないんだから。
Nだって、あんな怖いことされたけど




私、まだ好きじゃん。





会いたい。
でも、会えない。
そんなベタな小説のように、私は前に進めない。





「…っ///(何考えてんだろ…)」




恥ずかしいなぁ、もう。
好きだとか嫌いだとか言ってる場合じゃないと思います。
でも…。


私は体育座りに直して、顔を上げる。
雨が降っていて冷たいって言うのに、頬だけは少し火照っていた。




「やっぱり好きだからね…好きなもんは好き」

「ズァ?」





オノノクスは首を傾げる。
それは私の言った事に傾げたと思ったのだが、違った。
色素が、戻っていく。



「!」



試しに、オノノクスの頭をなでてみる。
硬く、ざらざらとした皮膚に、触れた。
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